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リサーチ・アイ No.2021-043

IMFが示した気候変動問題へのアプローチ -わが国も労働市場対応と情報整備が不可欠-

2021年10月20日 大嶋秀雄


IMFは、本年10月の世界経済見通しおよび世界金融安定性報告において、気候変動問題をコロナ対策に並ぶ喫緊の政策課題と位置づけ、各国に求められる政策および資金調達に係る施策を整理。

政策面では、①各国の状況に応じた炭素価格の下限設定、②脱炭素への公的投資や研究開発支援、③脱炭素の家計への影響軽減策、④新興国への資金・技術支援、⑤労働市場の変革が重要と指摘。とくに⑤に関しては、既に高スキル労働者で脱炭素関連業務が多い傾向があり、今後、脱炭素の加速により低スキル労働者の雇用が失われる可能性が高いとして、教育を通じた労働者のスキルアップの重要性を示唆。

また、資金調達面では、サステナブルファイナンス等への民間資金の導入が重要ながら、気候関連投資ファンドの資産規模は、増加傾向ではあるものの、依然小さいのが実状。投資ファンドの投資判断では気候関連情報の不足が最大の課題であること、投資ファンドのサステナビリティ評価(ラベル)が資金流入に大きく影響していることを踏まえると、民間資金の導入拡大には、①気候関連情報の整備(企業の情報開示、タクソノミーを含む基準策定など)、②サステナビリティ評価でのグリーン・ウォッシュ排除のための監督強化が急務と指摘。

わが国では、気候変動対策やサステナブルファイナンス推進策が検討されており、企業による気候関連開示強化の議論も始動。今後は、IMFが指摘した労働市場への対応や早急な情報整備など、中長期的にみた気候変動対応のボトルネックを把握したうえで、適切な政策立案が必要。


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