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リサーチ・アイ No.2026-029

AI投資ブームに潜む金融システム上のリスク ~ 投資ブームの持続可能性と期待剥落に伴う市場混乱のリスクに要注意 ~

2026年07月13日 谷口栄治


国際決済銀行(BIS)は、公表した「2026年年次経済報告書(Annual Economic Report2026)」において、今後の経済・金融面のリスクのひとつとして、AI(人工知能)に係る投資ブームの持続可能性と、それに伴う金融システムへの影響を指摘。

具体的に、ハイパースケーラー(巨大IT企業)が2025~26年にかけて1兆ドル超のAI関連の設備投資を計画するなど、投資需要は急拡大。一方、社債発行額が増加するなか、債務負担が過大となるリスクが蓄積。

またAIセクターでは、ハイパースケーラー等がAI開発企業(AI Labs)への出資の見返りに、自社のクラウドや計算処理装置(GPU)の利用を条件とし、利用料を徴収する「循環取引」も拡大。こうした不透明な取引は実需を過大に見せかける懸念があるほか、AI開発企業の経営悪化時には、出資金の毀損と将来収益の消失が同時に発生するリスクを内包。

今次のAIブームは過去の投資ブームと比較しても投資額の伸びが顕著。もっとも、AIについては、電力や半導体の供給制約によって市場が期待通り拡大しなかったり、技術革新の早さによって既存設備が陳腐化し、債務負担が過大となったりするリスクが存在。BISは、こうした特定セクター発のショックがシステミックリスクへ波及するのを防ぐため、AIの急速な進展に歩調を合わせ、マクロプルーデンスの観点から、規制・監督を強化する必要性を提言。


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