リサーチ・アイ No.2025-151
《関西経済シリーズNo.13》関西のインバウンド需要の先行きをどうみるか ― 中国人旅行者の減少は懸念材料ながら、中東危機の影響が潮目を変える可能性も ―
2026年03月17日 西浦瑞穂
2025年11月の中国政府による渡航自粛要請以降、日本・関西を訪れる中国人旅行者が大幅減。2026年1月の関空発着の中国便は前年同月比6割減に。こうしたなか、中国人旅行者の減少分は他の地域からの旅行者の増加によって埋め合わされるため、経済的影響は限定的との見方も。例えば、京都市の観光関連事業者を対象とする調査では、中国人旅行者減少が経営に与える影響は「全くない」あるいは「ほどんど影響はない」とする回答が半数超。実際、京都の2025年11~12月の中国人以外も含めた外国人延べ宿泊者数は前年並みを維持。
もっとも、他の国々に比べて回復が遅れていた中国人旅行者数は、漸くコロナ禍前の水準を超え、さらなる増加が期待されていただけに、回復の腰が折られる形に。また、府県別にみると、大阪や奈良は中国人の減少幅が大きく、団体客を中心とする旅行者の減少が影響している可能性。
加えて中東情勢の緊迫化を受け、世界の観光需要の先行きに不透明感。当面は、安全面などへの不安心理や航空路の混乱から世界規模で旅行需要が減退する公算が大きく、中国人以外のインバウンド需要にも懸念が台頭。
一方、①治安の良い国への旅行需要のシフト、②アジア諸国における近距離旅行選好の高まり、などが日本のインバウンド需要を押し上げるとの期待も。さらに、国際情勢を踏まえて海外旅行を避けようとする日本人の動きが、関西の観光需要の下支えとなる可能性。
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