2026年6月17日
各位
株式会社日本総合研究所
改正GX推進法を踏まえた将来の炭素価格予測サービスの提供を開始
~化石燃料賦課金や特定事業者負担金に加えて業種別に標準的なカーボンプライスを予測~
株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区、代表取締役社長:内川淳、以下「日本総研」)は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて企業の脱炭素投資に関する意思決定を支援するため、2026年度から本格稼働した排出量取引制度(以下「GX-ETS」)および2028年度開始予定の化石燃料賦課金に基づく将来の炭素価格予測サービス(以下「本サービス」)の提供を開始します。
■背景
2026年4月に、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律改正(以下「改正GX推進法」)が施行され、GX-ETSの法定化や化石燃料賦課金の徴収に関する仕組みの整備など、成長志向型カーボンプライシング構想の実現・実行に向けた取り組みが進められています。一方、これらの制度が導入されることで、企業には事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)排出にさらなる費用が課されるようになり、その対応策としてCO2排出削減や、排出枠・カーボンクレジットの購入といった経済的負担が増加することが見込まれます。
今後、企業がこうした負担を軽減するためには、自社で独自に炭素価格を設定するインターナルカーボンプライシング(以下「ICP」)を通じて脱炭素投資などを推進することが肝要ですが、現状は炭素価格を設定する際の指標となる、日本のエネルギー政策や事業環境を踏まえた推定情報は十分に整備されていません。
そこで日本総研は、長期的な見通しに基づく炭素価格の定量分析を通じて、企業の脱炭素施策を適切に比較・評価し、実行するための意思決定を支援するツールとして、本サービスを開発しました。
■本サービスの概要
本サービスでは、GX-ETSや化石燃料賦課金の制度・ルールを踏まえ、日本国内のCO2排出量の需給バランスに「現行政策シナリオ」(2050年カーボンニュートラルが達成されないシナリオ)と「公表政策シナリオ」(2050年カーボンニュートラルが達成されるシナリオ)を設定して、炭素価格モデルを構築します。
これにより、GX-ETS排出枠市場取引価格や化石燃料賦課金、特定事業者負担金における有償割当排出枠価格などの各種単価に加えて、企業のICP設定に活用できる業種別標準炭素価格の2050年頃までの長期見通しをレポートで提供します。
<本サービスの特徴>
将来の炭素価格の予測にあたっては、排出枠などの需給バランスを決定する要因の一つとして将来のCO2排出量を予測することが重要です。本サービスでは、発電、鉄鋼、化学、運輸などの主要業種ごとに、経済活動によるエネルギー消費、脱炭素化の取り組みを踏まえた将来のCO2排出量を推定します。
改正GX推進法の施行に伴うGX-ETS、化石燃料賦課金、特定事業者負担金の具体的な制度設計の内容を可能な限り予測手法へ反映し、現時点での関係制度、市場動向を踏まえた蓋然性のある評価手法を用いることで、社内外のさまざまな施策の比較評価や意思決定を後押しします。
<提供イメージ① GX-ETS排出枠市場取引価格、化石燃料賦課金、特定事業者負担金の推移>
2026年度から本格稼働するGX-ETSの排出枠市場取引価格、2028年度から導入される化石燃料賦課金、2033年度から発電事業者を対象に導入される特定事業者負担金など、炭素価格が賦課される項目ごとに予測結果を提供します。
この予測結果により、自社のCO2排出量を用いて将来の追加的なCO2排出によるコスト増加の影響を定量的に評価することが可能となります。
<提供イメージ② 業種別の標準炭素価格の推移>
電力、民生、運輸、鉄鋼、化学、セメント、その他製造業の7業種を対象に、業種ごとの全CO2排出量あたり標準炭素価格を推定します。推定結果は、社内ICPの設定やその妥当性の評価に活用できます。
■今後の展望
近年では、2050年カーボンニュートラルに向けた筋道に揺らぎが生じ、地政学の観点からエネルギーセキュリティや経済性の重要度も高まっています。今後は本サービスを基礎に、これまで日本総研が開発・提供してきた卸電力市場価格、出力制御、非化石価値、容量市場価格といった電力市場に関する様々なシミュレーションサービスの知見やノウハウを生かし、エネルギー関連企業に対して電力にとどまらないエネルギー全体に関する将来予測サービスも提供していく予定です。
以上
■本件に関するお問い合わせ先
【報道関係者様】広報部 金井 電話: 080-3437-9449
【一般のお客様】リサーチ・コンサルティング部門 早矢仕 高橋 海保 児堂 三木
メール: 200010-eri@ml.jri.co.jp

