オピニオン
生活支援体制整備事業の枠組みを活用した地域の多様な主体が参画しやすくなる枠組みに関する調査研究
2026年08月13日 石塚渉、青木梓、三澤和郁子、渡邉りさ子
*本事業は、令和7年度老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業として実施したものです。
1.事業の背景・目的
高齢者の生活支援は、介護保険制度の枠内だけで完結するものではない。商業・交通・教育・農業・地域づくり等生活に関わる多様な分野の主体が高齢者の暮らしを支えている。しかし、市町村の福祉部局や生活支援コーディネーター等と各分野の事業者・団体との接点は十分とは言えず、市町村だけで関係を築くことには難しさがある。そのため、都道府県が中心となり、市町村と広域で活動する多様な主体をつなぐプラットフォームとしての機能を担うことが期待される。
そこで、都道府県が市町村の生活支援体制整備事業等を支援する際に、市町村・SC等と民間企業、NPO法人、社会福祉法人、農村型地域運営組織(農村RMO)、協同組合、ボランティア等の多様な主体をつなぐ「都道府県プラットフォーム(以下、都道府県PF)」を構築・活用するための考え方と実践手順を令和6年度に整理した(※1)。
2.事業の概要
前年度に続く本調査研究では、生活支援体制整備に係る都道府県PFの構想や手順をもとに、都道府県や市町村向けの支援や先進事例の整理・分析を実施した。
併せて、前年度調査研究で作成した手引きに、各都道府県の実情と照らし合わせながら、先行している都道府県の取組事例やQ&A、有識者による対談記事を追加し、これから都道府県PFを立ち上げ・運用する際の参考資料として活用できるようにまとめた。
3.事業の成果
都道府県PFは、市町村における生活支援体制と多様な主体をつなぎ、地域課題の解決のための基盤となることを目指しており、市町村において多様な主体と連携した、生活支援等サービスが創出・拡大することで、地域課題の解決につながることが期待できる。
4.今後の課題
今後は、モデルとなる都道府県を拡大して都道府県PFの立ち上げ支援をしていくことが求められる。また、先行して実施している都道府県の進め方や課題と解決方法も参考にしながら、より実践的に活用できる手引きとしてブラッシュアップしていくとともに、自治体への周知活動を増やしていくことにより都道府県PF構築の活動を横展開し、多様な主体と市町村・生活支援コーディネーター等との接続を促進していくことが求められる。
本調査研究事業の詳細につきましては、下記の報告書本文をご参照ください。
報告書本文

併せて作成した「都道府県プラットフォーム構築の手引きVol.2」は下記をご参照ください。
都道府県プラットフォーム構築の手引きVol.2

(※1)令和6年度 老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業
地域の多様な主体が介護予防・日常生活支援総合事業に参画しやすくなる枠組みの構築に資する調査研究事業報告書

※記事は執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。

