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介護職員数の将来推計ワークシートの作成に関する調査研究事業

2024年03月25日 福田隆士高橋光進


*本事業は、令和4年度老人保健事業推進費等補助金 老人保健健康増進等事業として実施したものです。

1.事業の背景・目的
 介護職員数の将来推計の結果は、介護保険事業(支援)計画に掲載され、人材確保等に関する施策の根拠資料として活用される等、一定の成果が得られている。一方、介護職員数の将来推計の結果のより効果的な運用モデルの整理や推計精度の向上については、都道府県等から検討の必要性が指摘されている。これらの指摘を受け、ワークシートの改良、運用モデルの整理に関する検討が過年度調査において実施され、直近の第8期推計においては、サービス区分別(入所・訪問・通所系)および地域密着型サービスでの推計や常勤換算での推計、2040年までの長期推計を可能とするワークシートの改良がなされた。これらの改良による効果が期待される一方、第9期推計の実施に向けては、第8期推計の実施状況等を踏まえ、効果的な運用モデルの整理や推計精度の向上が引き続き求められているところである。
 上記の背景を踏まえ、本調査研究においては、①第9期推計用の介護職員数の将来推計ワークシート(案)の作成と、②推計結果の効果的な活用、施策の検討に資する運用モデルの検討・整理等を目的として、各種調査ならびに検討を実施した。

2.事業の概要
 先行調査研究等を基礎資料として、有識者等からなる検討委員会にて、第9期推計用の介護職員数の将来推計ワークシートの見直しの方向性と、介護人材の確保・定着等に関する施策検討の手引きの内容等について議論を行った。

3.事業の成果
 先行調査研究の整理や検討委員会での議論等を踏まえ、第9期推計用の介護職員数の将来推計ワークシート(案)を作成した。将来推計ワークシートを活用した効果的な介護人材確保策の検討・実行等を推進するための運用モデルを整理し、「施策検討の手引き(案)」として取りまとめた。

4.今後の課題
 本調査研究の成果物である「施策検討の手引き(案)」は、先行調査研究等を通じて蓄積された知見等をもとに、有識者からなる検討委員会での議論や都道府県、市町村との意見交換を通じて作成したものであるが、本事業で意見交換を実施した都道府県、市町村は比較的取り組みが進んでいる都市部の自治体である。検討委員会での議論において、取り組み状況や地域特性等により、本手引きに対する自治体の受けとめ方が異なる可能性が指摘されており、手引きの本格運用の前に、多様な自治体の声を改めて確認し、内容の改善・改良を行うことが必要である。
 また、本手引きの本格運用の開始後、各地域でPDCAサイクルの実践が進む中、取り組み事例等が蓄積され、新たに改善・改良すべき点も生じることが想定される。各地域での活用状況、活用における課題等の調査・フォローアップを継続的に実施するとともに、定期的に内容の見直しを行い、改善・改良を図っていくことが必要である。

※本調査研究事業の詳細につきましては、下記の報告書本文をご参照ください。
報告書
(別冊資料)地方自治体のための介護サービスの安定的な提供体制の実現に向けた介護人材の確保・定着等に関する施策検討の手引き(仮称)【検討案】

【本件に関するお問い合わせ】
リサーチ・コンサルティング部門 マネジャー 高橋光進
E-mail:takahashi.mitsunobu.y3@jri.co.jp

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