オピニオン
日本デジタルヘルス・アライアンスの組織概要と活動内容について
2023年03月14日 ヘルスケア・事業創造グループ 南雲 俊一郎（日本デジタルヘルス・アライアンス事務局）
昨年3月14日に設立した日本デジタルヘルス・アライアンス(以下「JaDHA」)は、業界の垣根を越えた横断的研究組織であることを特長とし、各業界の都合、論理や思惑を排除し、真の価値追求に向け、あるべき論に立脚した議論と活動の推進を理念とする組織です。
JaDHAは、「デジタルの特性や機能」を前提に、「デジタルならではの価値」を臨床的意義や医療経済性も含めて適正に評価し、さらに技術進展に対する柔軟性のある制度・規制などの環境整備を目指す研究会です。
具体的には、
・日本におけるデジタルヘルス産業の発展、関連サービス・技術の普及促進を阻害する課題を深く洞察し、
・課題を克服するための施策および方策の研究を進め、研究成果の情報発信・政策提言・普及活動などにとどまらず、政策・制度の実装の追求を通じ、
・デジタルヘルス産業の活性化および関連サービス・技術等の社会的受容性の向上などの実現により、国民の健康増進と産業発展に貢献する
ことを目的とします。
上記の目的の達成には、ICT企業、ベンチャー企業および医薬品・医療機器メーカーのそれぞれが蓄積した知見やノウハウを融合し、「デジタルならではの価値」を追求することが不可欠です。
JaDHAは、活動開始から1年弱で会員数70社となり、デジタルヘルスに関わる多様な属性の企業が参加する特長的な団体として広く認知されています。
■JaDHAの組織体制
JaDHAには、課題克服を研究する推進母体としてワーキンググループ(以下「WG」)を設置し、研究の実施、政策提言および情報発信活動などの方策を議論します。そして、研究成果に関する政策提言および情報発信活動などを推進し、取材・問い合わせへの対応や有識者をはじめ関係省庁、関係団体との交流を行います。
■JaDHAのワーキンググループ活動テーマ
JaDHAは、4つのWGによる課題克服の研究を推進しています。2023年4月に改めて各WGに参加される正会員の募集を行います。5月以降に入会された正会員も随時WGに参加いただけます。
・デジタル治療に適した臨床評価基準・承認要件の新区分 検討WG
デジタル治療の特性に応じた臨床評価基準と承認要件を具体化し、必要な規制改革や制度の在り方を提言します。デジタル技術のスピード・利点を生かせる、適切な治験デザインや合理的な承認プロセスの検討を行い、アプリ開発が促進される制度の実装を目指します。
・デジタル治療に特化した診療報酬の体系枠組み 検討WG
デジタル治療に適した診療報酬制度における評価体系のあるべき姿を検討します。デジタル治療による新たな価値を適正に評価できる診療報酬体系の構築上市後の継続的な製品改良や価値の測定結果に基づく価格改定の仕組みの構築と実装を目指します。
・デジタル医療サービスの円滑な利活用に向けた基幹プラットフォーム構築WG
患者や医療機関の利便性高く安全な利活用を促進するための、デジタル医療サービスの基幹プラットフォームの在り方を検討します。例えば、利便性を高めるため、さまざまなアプリ・サービスの利用情報・患者情報等を集約し個別アプリにアクセスせずとも、情報確認・操作を可能とするダッシュボード等の在り方を具体化します。
・デジタルヘルスアプリの適切な選択と利活用を促す社会システム創造WG
デジタルヘルス製品の適切な選択と利活用の阻害要因を解決し、生活者のセルフケアによる健康増進を促す新たな社会システムの在り方を検討します。また、ヘルスケアアプリ(non-SaMD)で得られたデータを活用しプログラム医療機器(SaMD)の承認プロセスを簡略化する方法など、円滑な接続の在り方を検討します。
JaDHAの活動を通じ、有識者をはじめ関係省庁、関係団体、国内外の企業などとの情報交換や連携を進め、社会における医療のデジタル化という新たな価値を、より迅速に生活者、患者や家族、医療現場へ届けるための貢献をしていきます。
来期のJaDHAの新規入会手続きは、2023年3月14日より開始します。JaDHAへの入会にあたっての手続き、JaDHA組織概要・活動実績・運営体制、JaDHA会則については、下記資料をご覧ください。
【JaDHA入会手続き
】【JaDHA説明資料
】【JaDHA会則
】■本件およびご入会に関するお問い合わせ先
（2023年3月14日以降にお問い合わせください）
JaDHA事務局（リサーチ・コンサルティング部門 ヘルスケア・事業創造グループ内）
UN_6001.group@jri.co.jp
以上