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【IT動向リサーチ】
金融ジェロントロジーにおけるIT活用動向
~超高齢社会到来を見据えて~

2021年01月25日 先端技術ラボ 間瀬英之


本レポートでは、金融ジェロントロジーにおけるIT活用動向を考察した。

急速に高齢化が進む日本は 、世界に先駆けて「超高齢社会」に突入する。
日本の高齢者は多くの貯蓄・資産を保有しているが、所得は減り続けるため、適切なペースで資産を取り崩していくことが必要となる。しかしながら、加齢とともに認知機能は低下するため、資産管理・運用は難しくなる。このような高齢期の資産や金融取引に関する課題に取り組むのが「金融ジェロントロジー」である。今後、全家計金融資産に占める高齢者の保有率がますます高くなる「金融資産の高齢化」が急速に進むとされ、銀行などの窓口現場では、高齢者の金融行動に与えるリスクに対して、適切に対処することが求められる。
昨今、老後2000万円問題を機に、老後の生活資金に関する消費者の関心が高まっており、金融庁や金融機関、大学などの官民が連携・一体で、資産寿命を延ばすための各種情報提供をはじめ、ディスカッションやよりよい金融サービスの提供に向けた検討が実施されている。例えば、完全には避けることができない加齢に伴う認知機能の低下に備えて、高齢者は保有する資産や契約情報などを信頼できる第三者(家族や金融機関など)に共有することや老後計画に基づく資産運用・取り崩しを行うことが必要となる。また、早い段階で、金融リテラシー向上や認知機能の改善・維持といった予防策を実施することも効果的とされる。
金融資産運用には、金融の知識や経験といった金融リテラシー以外にも、加齢に伴う心理面や認知機能の変化が影響することから、高齢者自身は認知機能が低下する前段階から、情報を見える化しておき、家族や金融機関が適切に支援・対処できるよう早めに準備しておくことが重要である。そして、それを支える重要なツールとして「IT」が存在する。
資産寿命の伸長に向けては、ライフ・プランニング、ファイナンシャル・プランニング、ファミリー・エンゲージメントが必要不可欠となる。金融機関は、顧客と定期的、継続的に接触することから、その顧客の変化に最初に気付く存在であり、高齢投資家の家族との連携確保など、金融ニーズに加えて、非金融ニーズを踏まえた高齢者マーケットに対する重点的な対応が求められる。


金融ジェロントロジーにおけるIT活用動向 
~超高齢社会到来を見据えて(PDF:1888KB)

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