IKUMA message
先日、瀬戸内海に浮かぶ香川県の豊島を訪れました。...
2011年10月04日 井熊均
| 「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2011/10/04) | |
豊島の廃棄物問題とは、瀬戸内海に浮かぶ美しい島に大量の産業廃棄物が不法投棄された問題です。その量は、当時50~60万トンにも及ぶとされ、世界的にも有数の廃棄物問題と言われました。問題は国の公害等調整委員会に付されることとなり、本格的な廃棄物処理事業へと進みました。 総合研究所に勤務して様々な事業に関わらせていただきましたが、豊島の廃棄物の処理事業は比類のない仕事となりました。島民の方々はもちろんのこと、関係者の信頼を得て難しい処理技術の検討を手がけた委員会の先生方、香川県のご担当の方々の努力は大変なものでした。 10年余の時を経て、今では、豊島と隣の直島に、日本の英知を結集した水処理システム、廃棄物の収集・保管・運搬・処理システムが稼働しています。その一方で、豊島には斬新な感性の美術館が作られ、周辺の島々と共に瀬戸内海の新たな魅力を形成しつつあります。多くの方々の努力の結果、将来に向けた確実な歩みを見ることができます。 かつて、深刻な公害問題を負いながら、これを解消し、環境都市へと転じた北九州市を始めとする日本の地域は海外で高い名声を得ています。豊島の廃棄物が撤去された一部の土地には周辺と変わらない色の地面が顔を出していました。完全な撤去にはまだ年月を要しますが、何時の日か、潮風に耐え、季節になれば可憐な花を咲かす草木が茂り、世界中の人達がこの地と海に敬愛の眼差しを向ける日が来ることを願ってやみません。 | |
| [ Ikuma's Photo ] [写真上]新刊書籍のご案内です。日本の成長を支える次世代エネルギーの本です。 「次世代エネルギーの最終戦略 使う側から変える未来」 井熊 均 [編著] 出版社名:東洋経済新報社 発行年月:2011年10月 価格:¥1,890(税込) |


