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エネルギー分野の政策提言第二弾「次世代エネルギーシステム、...

2011年06月07日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2011/06/07)
次世代エネルギーシステム、需要家主導のエネルギーシステム(DEmand Side Driven Energy System (DES2))
エネルギー分野の政策提言第二弾「次世代エネルギーシステム、需要家主導のエネルギーシステム(DEmand Side Driven Energy System (DES2))」を発表しました。ここで注目しているのは需要家サイドで起こりつつあるエネルギーシステムの革命です。今後も大型の発電所が重要な社会基盤であることは変わらないでしょうが、次世代のエネルギーシステムの核となるのは需要家サイドの技術革新です。

公共性が高くネットワーク構築が欠かせないことから、エネルギーシステムは情報通信システムと比較されることがあります。しかし、規制緩和や新市場の創出という意味で、エネルギー分野は情報通信分野に比べて15年遅れています。情報通信分野では複数の有力企業の間で競争が展開されていますし、インターネットや携帯端末に関する技術革新が頻繁に起こっています。これに対して、エネルギーの世界では電力会社による地域独占が続き、事業者間での競争はほとんどありません。また、省エネルギーや再生可能エネルギーの新しい技術も十分に普及していません。

市場が動くためには自由な競争環境と新しい技術が必要です。1990年代の情報通信にはこうした二つの要素に加え、新しい市場を創ろうという情熱を持った事業家と新しい技術やサービスを求める需要家がいました。15年を経て、エネルギーの分野でも新しい市場を開くための要素がようやく整いつつあります。この10年間で再生可能エネルギーやエネルギマネジメント等の技術が飛躍的に進歩した上、東日本大震災の影響でこれらの技術に多くの事業家が注目し、需要家がかつてないほどクリーンで安全なエネルギーを求めているからです。政策を上手くリードすれば、日本が世界の市場や社会システムをリードすることも不可能ではありません。

次世代のエネルギーシステムは、こうした時代の転換点への感度を高めて議論されなくてはならないのです。

[ Ikuma's Photo ]
[写真下]多摩川の河川敷で行われたチャリティー駅伝に参加しました。一人5km×4人で、外部の人の助けも借りて創発戦略センターから4チームが出場しました。
※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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