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東京ビッグサイトで行われたスマートグリッドのイベントに参加...

2011年03月08日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2011/03/08)
東京ビッグサイトで行われたスマートグリッドのイベントに参加しました。スマートグリッドは環境、エネルギー分野で最もホットなテーマです。再生可能エネルギーが大量に接続された双方向性のあるネットワークに多くの人が新しい時代の到来を感じています。一方、想定されているスマートグリッドの市場規模は数兆から10数兆円程度とされ、千兆単位と言われるインフラ輸出の市場規模と比べると見劣りがします。スマートグリッドについては、市場規模そのものより、スマートグリッドが何を意味しているのか、を把握することが重要と言えます。

隣の会場では二次電池の展示会が催され、蓄電池そのものに加え、数多くの製造技術が紹介されていました。蓄電池が次世代の革新技術であることを疑う人はいません。ただ、会場を歩いている間に、数年前東京近郊で行われた太陽光発電の催しの様子を思い出しました。かつて世界の半分以上の生産量を誇った日本が国、企業ベースの双方でトップの座から滑り落ちつつあった時代です。昨今、同じように二次電池では韓国、中国勢が猛追しています。

環境、エネルギー関連の技術がしばらくの間、各国の産業に大きな影響を与えることは間違いありません。しかし、技術の成熟化、スマートグリッドのようなネットワークの誕生、そして新興国を加えた競争の激化、などで市場の構造は大きく変わっています。今、日本の政策と企業戦略に求められているのは、過去のしがらみに囚われず、新しい時代のビジネスの構造を想像する力です。情報通信や太陽電池では、それが欠け、海外企業の後塵を拝するに至りました。お家芸とも言える環境、エネルギーの分野では未来を先取りした展開を実現したいものです。

※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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