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企業経営における温暖化とリスク

2008年12月02日 佐々木努


 ポーランドのポズナニにおいて、COP14(気候変動枠組条約第14回締約国会議)が開幕した。ポスト京都に向けた結論を出すのはCOP15なので、COP14はそのマイルストーンという位置づけであることは確かであるが、決して軽視できない会議である。

・オバマ次期米国大統領の温暖化チームがオブザーバーで参加する。
・EU諸国が途上国にも削減目標を課すセクター別アプローチに似たような提案を行う。
・金融危機に関わらず温暖化対策を推進すべきという国際合意がなされる。

 たしかに、気候変動に関する国際政治の視点で眺めると上記のトピックは重要である。では「企業の視点」でCOP14を見た場合、どのようにとらえるべきなのだろうか。

 企業の方と温暖化対策についてディスカッションすると、「温暖化問題では、仕組みや制度がなかなか決まらないことがリスクだ」という内容になることが多い。例えばこうだ。

・ポスト京都以降も現在の「排出権」の概念が継続しているかは決まっていない。したがって、排出権ビジネスに進出することはリスクである。
・排出削減に対する罰則規制が導入されるかは決まっていないので、早期に省エネ投資をすると逆に将来の削減方策を奪ってしまい自身で首を絞めることになる。したがって、今、省エネ投資を実施することはリスクである。

 そう認識した上で、当面「様子見」することを選択する企業が多いように思う。ここで言う「様子見」とは、他社が動くまでは何もしない(≒何も考えない)で待っておく状態である。2、3年前と比べると「様子見」の企業は減ったとは言え、まだ相当数の「様子見」企業が存在する。

 リスクととらえたのであれば、その時点でリスクマネジメントすべきではないか。まず、リスクが顕在化した際の被害を極小化する方法を検討することだけでも着手すべきである。もちろん、検討した結果何もしないという結論であれば構わない。

 COP14において「劇的に」何かが決まることは想像し難いので、「何も決まらず先送りになった」と報道されるかもしれない。このニュースを見聞きしたとき、「様子見」を選択すべきではないだろう。何もしない(考えない)ことが一番の「リスク」であると肝に銘じるべきではないだろうか。
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