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金融経済教育の高度化:開設にあたって


 タンス預金、年金、企業の賃金抑制が課題とされ、また、東京都が国際金融都市を目指す中、国・自治体にとって国民への金融経済の生涯教育は重要になっています。また、個人にとっても、人生100年時代を生きる上で、お金を(議論を避けることなく)正しく理解することはより重要になるでしょう。
 そうした中、高等学校の家庭科や公民科に金融(経済)教育が織り込まれたことによって、さまざまな機関が続々と独自に教育プログラムを提供する“金融教育バブル”とも言える状況になっています。
そこで、日本総研は、従来の金融経済教育を国・自治体、個人にとってより意義あるものにするために、金融経済教育の高度化と題して多角的に考察・提言していきたいと考えます。
 高度化の方向性として、まずは、①お金の視野拡張、②お金の外的環境変化、③お金の新学習手法の3つを設定しました。


高度化① お金の視野拡張
 従来の金融経済教育は、「お金は企業で働いて稼ぎ、節約するもの」との考えが根本にあるためでしょうか、“使う”、“ためる”、“運用で増やす”が中心になっています。しかし、ユースが生きる未来を考えると、お金の“増やし方”に関連して、“起業して増やす”、さらには、これからのサステナビリティ時代、パーパス時代を考慮すると、自分に閉じることなくお金を“分ける”というお金の活用の変化、言いかえるとお金への価値観の変化を想定して、教育の範囲を広げる必要があります。このために、(1)海外諸国の金融経済教育の制度や事例 、(2)わが国の教育現場(教員、学生など)の意識やニーズ等の調査・分析から、わが国の金融経済教育への示唆や提言をしていきたいと考えます。

高度化② お金の外的環境変化
 従来の金融経済教育のプログラムは、就職→結婚→家購入→育児・教育……など、我々のこれまでのライフイベントを前提としています。しかし、ユースが生きる未来は我々が見てきた世界とは違うものになるはずです。よって、未来の仕事や生活などのお金を取り巻く外的環境変化を想定した人生を見据えた総合的なお金の学習へと、教育の範囲を広げる必要があります。また、お金のデジタル化、バーチャル化も進んでいます。今のユースは現金を持ち歩かず、“お釣り”を知らない人も増えているようです。そこで、お金そのものの変化をもたらすWeb3、メタバース、ブロックチェーン、暗号通貨やNFT等技術による外的環境変化も、少なくともお金を考えるためのインプットとして、教育の範囲に含める必要があると考えます。

高度化③ お金の新学習手法
 直近では、“金融教育バブル”状況下での学習手法のばらつきを解消し、品質を担保するための制度やプログラムが必要ではないかと考えています。また、例えばデジタル/バーチャル空間における体験型のプログラムなど、“未来の学習”としても通用する、ユースが楽しみながら学ぶことができる新たな学習手法は、個人への金融経済教育を促進するとともに、教育現場のニーズに応えることになるでしょう。お金の新学習手法に関する調査・分析や試行をしていきたいと考えます。

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