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ブロードバンド通信における新しいメディアとその課題


▼▼▼ ブロードバンド通信における新しいメディアとその課題① ▼▼▼

ブロードバンドサービスビジネスにおいて、米国映画コンテンツのシンジケーション(ネットワークの代わりにテレビ、ラジオの番組配給を行う組織)の機能が不可欠であるように、新たなシンジケーションに相当する「制作」「流通」「伝送→配信」なる機能を担当する組織なり仕組みが求められよう。

そして、通信機器や通信ネットワークといったハードウェア的な仕組みに加え、仲介機能をもつある種のシンジケーターとしての「コンテンツ・デリバリー・プラットフォーム」を支えるソフトウェア面的な要素(ローカルなコンテンツの利用許諾・調達、B2Bの配給のノウハウ、顧客管理、著作権処理など)が成功の鍵を握ることになる。

【図表】 米国映画コンテンツのシンジケーションとブロードバンドビジネス成功のための機能分担

(注) シンジケーション:ネットワークの代わりにテレビ、ラジオの番組配給を行う組織のこと。番組の制作者あるいは配給者から、ネットワークではなく、地方局に直接売られる。
NSP(ネットワーク・サービス・プロバイダー)、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)。
(出所)日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター[新保2001]


▼▼▼ ブロードバンド通信における新しいメディアとその課題 ▼▼▼

コンテンツ提供者からユーザーにコンテンツが届くまでのブロードバンド事業者の役割を、サービス面とインフラ面に分けて示すことができる。

2001年には、特にCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)技術の進展が目覚しく、Glay(ロックミュージックバンド)や浜崎あゆみ、小澤征爾などのライブ演奏が、ストリーミング放送(ダウンロード完了を待つことなく動画を再生)としてインターネットを介して視聴者に配信されるようになった。


【図表】 ブロードバンドインフラとサービスとの関係

(注) iDC(インターネット・データセンタ-)、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)
(出所)日本総合研究所 研究事業本部[2001]

▼▼▼ ブロードバンド通信における新しいメディアとその課題 ▼▼▼

コンテンツをユーザーが楽しむには、コンテンツを視聴するユーザーとメディア(媒体)とのインタフェースとなる端末や画面との距離が重要な要素となる。

実際、携帯電話やPDAではユーザーの目から約30cm、PCであれば40~50cm、TVの場合は3m程度というのが一般的であり既に生活の中に定着している。

一方、個人ユーザーではなく、コミュニティ(仲間)やそれ以上の不特定多数(大観衆)が楽しむコンテンツ、例えば、ライブ中継などに対しては、10m~100m程度の空間の拡がりが大事になる。

このように距離や各様の視聴者に応じた装置・仕掛けが求められる。


【図表】メディアと距離、及びインタラクティブ性の関係

(注) CS: Communications Satelite(通信衛星)、BS:Broadcasting Satellite(放送衛星)、PDA:Personal Digital Assistance
(出所)日本総合研究所 ICT経営戦略クラスター[新保2001]