環境配慮型オモリ
2008年05月01日 青山貴紘
今年のゴールデンウィークは沼津にボートフィッシングに行ってきました。沼津の海は大変豊かで色々な魚がたくさん釣れます。また、周囲は自然の山々に囲まれており海上から見える景色も抜群です。
釣りをしていると自然の変化に敏感になります。赤潮や水質の変化で魚が釣れなくなるといったように、環境の悪化による影響を身近に感じられるからです。釣り人の多くが環境保全に対する意識が高いのはこのためでしょう。
最近釣り人の間で注目されているのが、環境配慮型のオモリです。釣りでは仕掛けを沈めるためにオモリを使います。そして、このオモリはしばしば海底の岩間等に挟まり、置き去りにされてしまいます。これまでのオモリは鉛でできていたので、オモリから生き物に悪影響を及ぼす鉛イオンが海中に放出されます。釣りのオモリによって周囲の水質に対する悪影響を及ぼされることが問題視されてきたのです。この問題に対応した代表的な環境配慮型オモリには、有害金属ではない鋳鉄を用いたもの等があります。鉄は鉛よりも比重が軽いため、沈みにくいという難点があるのですが、釣鐘形状と流れるようなフォルムや、上部の4枚の羽というデザインの工夫によって鉛と同等の性能を実現しています。費用の面で課題があるために未だ普及はしていませんが、タングステン合金製のオモリなど、環境配慮型のオモリの開発は現在も進められています。
釣りに限らず、自然を相手とする遊びでは生物多様性の重要性を実感しやすいものだと思います。まずはそのようなところから、個人個人が生物多様性の保全に対して取り組みを行なっていく必要があるのではないでしょうか。