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国はキャップ&トレード型の排出権取引の導入を検討する姿勢を示しました。これを受け、経済団体も一定の理解を表しています。

2008年03月04日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。 (2008/03/04)
国はキャップ&トレード型の排出権取引の導入を検討する姿勢を示しました。これを受け、経済団体も一定の理解を表しています。アメリカでも、オバマ氏、クリントン氏、マケイン氏の誰が大統領になっても、排出権の導入が検討されることは間違いない情勢になっています。世界第一、第二の経済大国が排出権取引の導入検討を始めるのは真に喜ばしいことですが、日本がここまでの判断が遅れたことは残念でなりません。

今世紀末になっても現在のように自由に石油が使える、と思っている人は少ないはずです。そうであるなら、今日本中にある風力発電、太陽光発電、バイオエネルギーと同じくらいの規模の新エネルギー投資を何十年にもわたって行っていかないと、今世紀末にはエネルギー供給が滞ることにもなりかねません。自然な話なのですが、ここ10年程度の利害に陥った議論が元で日本は数十年先を見た取り組みに出遅れてしまいました。その間に、世界では新エネルギーへの転換を軸とした取り組みが大きく進みました。今や、技術立国であるはずの日本は今世紀中にも巨大市場となる新エネルギー分野で非常に厳しい状況に追い込まれているのです。

地球温暖化問題への対処に関わる不明は、まだまだ日本にグローバルな視点が不足していることの現われなのだと思います。歴史を振り返ると、海外の優れた考え方を素直に受け入れられた時代にこそ、この国は発展をしました。排出権に関する方針転換を機に、これまでの遅れを挽回するための抜本的な対策がとられることを期待します。
[ Ikuma's Photo ]
毎年恒例の苗場のスキーに行ってきました。最近は、世界中の色々な国の人が訪れており、かなりグローバルな雰囲気になっています。
[写真上]苗場頂上付近からの絶景です。
[写真下]夜はイルミネーションで華やかな雰囲気です。
  ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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