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日経の新聞に連載されたアラン・グリーンスパン前FRB議長の「私の履歴書」を興味深く読んでいました。

2008年02月05日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。 (2008/02/05)
日経の新聞に連載されたアラン・グリーンスパン前FRB議長の「私の履歴書」を興味深く読んでいました。最近、地球温暖化問題への対応でアメリカのイメージはかなり落ちていたのですが、経済面ではまだ学ぶことがあると思いました。

この連載で一番関心を持ったのは、神格化された前議長が生粋の経済学者でもなく、官僚でもなく、企業活動の分析や企業への経済的な助言を行う経済の現場出身であることです。同時に、3年前に亡くなったピーター・ドラッカー氏のことを思い出しました。氏も記者、投資銀行勤務などを経て、現場で培った知見を活かした鋭い洞察を提示し続けたからです。数多くの著名な経済、経営分野の学者がいながら、現場経験に基づいた知見に尊敬が集まる社会の構造にはある種のフェアさを感じます。

年初来の株価暴落が止まらず、多くの人が日本経済の行方に不安感を抱くようになりました。日本でも委員会、審議会等の形で経済の現場で高い経験を積んだ方々が政策の検討に関わっています。もちろん、成果も出ているのですが、今のやり方が十分だと思う人は少数でしょう。社会経済の構造を洞察した政策や実効性の高い政策がまだまだ少ないと思うからです。 今の日本に求められているのは、現場の経験を理論や洞察に昇華させることだと思います。アメリカのように優れた個人を登用することが全てだとは思いませんが、キレのない結論が出がちな現状の枠組みに代わる新たなアプローチが必要だと思う人は少なくないはずです。

 
  ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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