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2007年は新しい価値観に向けたターニングポイントの年となりました。

2007年12月18日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。 (2007/12/18)
2007年は新しい価値観に向けたターニングポイントの年となりました。地球温暖化問題が最重要政策の一つであることが明確になったからです。アル・ゴア前アメリカ副大統領とIPCCがノーベル平和賞を受賞したことはその現れです。国内でも、東京で、重要な政策は何かとインターネットで問いかけたところ、地球温暖化問題、と指摘する声が最も多かったと言います。

今年、創発戦略センターでは、「抜新領異以照後世」という新しいビジョンを掲げました。後段の四文字は時空を超えた意識の大切さを示しています。我々は日々現世代の損得に固執した議論に呪縛されています。地球温暖化はその典型です。温室効果ガスを最も大量に排出し、現代文明の恩恵を最も享受してきたのがアメリカである一方、温暖化の被害を顕著に蒙るのは温暖化に何の責任もない南の島々です。同じ様に、温室効果ガスを排出しつつ豊かさを享受してきたのが我々の世代である一方、温暖化の被害を受けるのは将来世代です。自らの損得を超えた価値観なしに、この種の問題を解決することはできません。

しかし、COP13の議論で日本の存在感はあまりに薄いものでした。そうなった最大の理由は率先して毅然とした姿勢を示せないことだと思います。このままでは日本の立場はますます厳しいものになります。例えば、数値目標設定についてアメリカ追随の姿勢を示したものの、何をもってアメリカを代表する意見とするのかは明らかではありません。京都議定書批准を拒否した現政権とは裏腹に州、市単位はポスト京都に向けた姿勢を示していますし、政権が変われば政策姿勢が変更されることは間違いないでしょう。

国内政策では、省エネルギーを前面に出した取り組みを訴える一方で、再生可能エネルギーの導入では世界レベルに大きく遅れを取っています。現場では日本と海外のエネルギー効率の差は見た目ほど大きくない、と懸念する声が少なくないのです。

創発戦略センターは来年も環境、エネルギー、公共等の分野でビジョンに違わない取り組みに一層力を入れてまいります。
今年一年間ありがとうございました。
来年も宜しくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上]ポスト京都に向けたエネルギーシステムのあり方をまとめた新刊です。

 
  ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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