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日本総合研究所は中国最大の技術集団である中国科学院の信息諮詢中心と覚書を締結しました。
2007年10月10日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。 (2007/10/10) | |
日本が環境・エネルギー分野で中国の機関と協力していくことには大きく二つの意義があると思います。 一つ目は、地球温暖化問題への取り組みを進めることができるからです。ここ2,3年世界中で温暖化問題への関心が高まっています。京都議定書の発効など政策的な動きもありますが、何といっても、どう考えても今までとは違う天候が世界中で頻発しているからでしょう。中国は地球温暖化問題解決の成否を占う重要な市場です。そこに、日本の高い技術が導入され、温暖化防止のための対策が進むことは地球的な観点からも意義があります。 二つ目は、21世紀の成長産業になることが明らかなこの分野で日本企業の成長がはかばかしくないからです。省エネビジネスや風力事業は苦戦し、世界市場を席巻した太陽電池も諸外国の猛追を受けています。技術大国の日本の省エネ、新エネビジネスが苦戦している理由は国内市場の伸びが小さいことに尽きます。中国企業と手を組むことで世界最大の市場への足がかりを作ることができれば事業的に大きな意味があります。ただし、欧米企業に比べて中国市場への進出が出遅れている上、中国企業が急速に成長しているので日本に残された時間は多くありません。 地球温暖化問題では世界的な視野での活動が不可欠になっています。中国市場に地歩を築くことで創発戦略センターも新たな活動の場を見出していきたいと思います。 | |
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