コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

IKUMA message

先日、親戚と千葉県の南房総を旅行しました。幼少の頃、親戚一同で毎年夏を南房総で過ごすことが多かったからです。

2009年05月26日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2009/05/26)
先日、親戚と千葉県の南房総を旅行しました。幼少の頃、親戚一同で毎年夏を南房総で過ごすことが多かったからです。海水浴には早い時期だったので人影はまばらでしたが、海は何十年も前と同じようにきれいで岬や岩の形も植生もその頃と変わらなく見えました。観光地として賑やかになったところもあります。しかし、昔と明らかに違った点がありました。褐色の逞しい体で浜辺を闊歩していた漁師や磯で働く海女さん達の姿が殆ど見えなかったことです。3,40年前、天然のリアス式海岸に恵まれた南房総はどこも活気のある漁師町でした。そこでの漁師の人達との交流は、子供にとって一つの楽しみでもありました。だから、見た目の自然がどんなに残っていても、彼らの姿が見えない浜辺の風景には寂しさを禁じえなかったのです。

我々は次世代農業を考えるプロジェクトを進めていますが、漁業の衰退も農業と同じように深刻です。貿易の自由化の影響もあるでしょうが、魚が減ってしまったことが大きな理由とされています。かつて、南房総の海は豊かでした。子供が潜っても、目の前をたくさんの魚が通り過ぎるのを見ることができたものです。今では、そうした姿も少なくなったようです。乱獲の問題が指摘されることもありますが、護岸工事で山からの養分が流れ込まなくなくなり、磯が瘠せてしまったという話もあります。いずれにしても人間の勝手な理由で、自らにとっても貴重な資源が疲弊してしまったことに違いはありません。市場経済が見直される中、我々は自然と付き合う産業のあり方をもう一度見つめ直す必要に迫られているように思います。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上]南房総の鵜原から勝浦方面を見た美しいリアス式海岸の連なりです。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ