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あと少しで2008年度が終わります。民間企業も公共法人も一年間の決算を出さなくてはなりません。

2009年03月17日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2009/03/17)
あと少しで2008年度が終わります。民間企業も公共法人も一年間の決算を出さなくてはなりません。この一年間、私達の価値観は大きく変わりました。例えば、磐石と思っていた日本の自動車産業が大きな赤字を呈し、果ては、産業としての将来性まで問われるようになっています。金融面では、最先端と言われていた金融業が大きく揺らぎました。2009年度が、市場経済と新たな成長の可能性を問う一年になることは間違いありません。

地域経済も行き過ぎた市場経済の中で翻弄されたもののひとつです。人口減少、農林水産業の衰退に加え、立地している工場の操業低下などで、地域経済は極めて厳しい状況にあります。前回触れた農業の再生、産業誘致など、様々な手段を使って地方経済の建て直しを図っていかなくてはならないことは論を俟ちません。しかし、一方で、いかに策を講じても経済面での再生を図ることが難しい地域が相当数出てくることは容易に想像できます。市場経済と地域のギャップをどう埋めるかは今後の政策上の大きな課題です。

今や誰にも止めることができないグローバル化の流れの中で彷徨う地域を建て直す際に重要なのは、市場経済に引きずられない将来像を見定めることだと思います。例えば、質の高い農産物や加工品づくりに関わる人の活き活きとした表情に出会える地域があります。問題はそうした価値を図る尺度がないことです。また、プライスレスな価値が違うところに大都市と同じ物指しを当てることは、砂漠に水を巻くような経済対策を生み出します。地域の価値のコンセンサスを創り上げることは、地域の再生だけでなく限られた資源の最適配分にもつながるのです。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上]富士スバルライン一合目から見上げた富士山です。浮世を忘れさせてくれる圧倒的な迫力があります。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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