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PFI関係の仕事でロンドンに行ってきました。

2009年02月17日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2009/02/17)
PFI関係の仕事でロンドンに行ってきました。イギリスは昨年来の経済危機で最も深刻な影響を受けた国のひとつですから、1年前まで隆盛を極めていたロンドンの街もさぞかし落ち込んでいるだろうと思っていました。確かに、表通りに面した立地のよいところでも空き店舗が散見されるなど、金融危機の影響と思われる面はあります。しかし、街を歩いている人の表情にはあまり深刻な表情はないように思いました。頼みの自動車がまさかの急落をした後の日本の都市の方がよほど暗く見えます。

金融業が盛んなイギリスについては、どうやって経済危機から立ち直るのだ、という声があります。かつて産業革命が起こった国から自動車産業が消えるなど製造業が強い訳でもなく、食料も輸入に頼っているのがこの国の実態だからです。しかし、街行く人達の表情を見ていると、どんな方法になるか分かりませんが、私自身も、この国はきっと立ち直るのだろう、思えてきました。

今回のような危機が起きると、あの国はよいがこの国は難しい、といった予想をしたがるのが世の常です。しかし、そうした予想の多くは危機が起こる以前の知識に基づいたものに過ぎません。時代を切り拓くのは何時も旧い殻を破る新しい発想です。危機の中にあっても信じる気持ちになれるのは、ロンドンの街に何度も危機を乗り越えて来たこの国の歴史が刻まれているからかもしれません。歴史が示す通り、永遠に続く隆盛のモデルなどはある訳がなく、持続を約束するのは時代に応じて変わることのできる力でしかない、ということなのだと思うのです。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上]ロンドン地域は17年ぶりの大雪に見舞われました。市内には殆ど残っていませんでしたが、郊外に出ると一面の雪景色でした。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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