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世界経済を引っ張ってきたアメリカ経済が泥沼のような苦境にあえぐ中、多くの人がこれからの成長の源泉を新興国に見出そうとしていると思います。

2009年01月20日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2009/01/20)
世界経済を引っ張ってきたアメリカ経済が泥沼のような苦境にあえぐ中、多くの人がこれからの成長の源泉を新興国に見出そうとしていると思います。中でも、世界最大の人口、高い教育レベル、立ち上がり始めた国内市場、統制の利いた国家運営、を有する中国が、なんだかんだ言っても、最も期待される市場と考える人は多いでしょう。しかし、中国で仕事をしていると、自動車など一部の産業を除くと日本企業は必ずしも高い評価を得ていない、という話を聞くことがあります。優れた技術を持ちながら、市場に入るタイミングが遅れたり、競争力の絞り込みが十分にできていないことなどが理由です。

中国市場の一つの特徴は、多少進んだ程度の技術であれば、すぐに真似できる才覚を持った人が山のようにいることです。ここで勝ち抜いていこうと思ったら、余程競争力のある技術やノウハウがあるか、卓抜な戦略を持っていることが必要です。

一方、中国への進出については、技術などを真似される、等の理由で躊躇する日本企業が少なくありません。しかし、世界経済の中での中国の位置づけはますます大きくなりますし、熾烈な国内競争を勝ち抜いた事業者がいずれ日本市場にもやってくるでしょうから、躊躇することは恐らく解決策になりません。一億人の国内市場に慣れた日本企業はこのあたりの感覚が弱いのかもしれません。

困難を伴いますが、金融危機はいずれ収束する時が来ます。そこで開かれる市場は2008年までとは違った様相を呈しているはずです。厳しい時代ですが、その時を見据えて競争の源泉を磨き上げておいてこそ、新たな成長に向けたチャンスを手にすることができるのです。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上・下]軽井沢の山の上から撮った浅間山です。駅前や旧軽では難しいですが、中軽以西や山の上に行くとこの雄姿を見ることができます。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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