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アメリカ発の金融危機の影響が世界経済を覆おうとしています。

2008年10月07日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2008/10/07)
アメリカ発の金融危機の影響が世界経済を覆おうとしています。つい最近まで、わが世の春を謳歌してきた大手投資銀行が次々と姿を消す有様は、磐石と信じていた砂上の楼閣が崩れ去るのを見るようです。今回の事態は単に複数の金融機関の破綻ではなく、ある金融・社会システムの終焉を示唆しているのだ、と指摘する向きは少なくありません。その背後にあるのは超大国アメリカの過剰債務でしょう。それはまた、いかに国力があろうと不合理なシステムはいずれ存続できなくなることを示唆しています。

アメリカ発の金融危機に国内経済の低迷も加わり、日本では景気対策を求める声が強くなっています。90年代を振り返れば、事態が深刻になる前に手を打つことが重要ですから、今のうちから対策を考えるのは間違っていません。しかし、その際に忘れていけないのは、日本もまた大きな不合理を背負った国であるということです。言うまでもなく、今やGDPの150%にも達する国と地方公共団体の長期債務です。

そうであれば、景気対策を行うにしても、これまで目標としてきたプライマリーバランスの黒字化を先送りするようなことがあってはいけません。アメリカの例を見るならば、不合理なシステムはひとたび崩れ始めると、止め処もない勢いで被害を広げるからです。

不合理に立ち向かうには、その解消をコミットし続けるしかありません。経済の低迷とアメリカの金融危機を前に求められているのは日本を取り巻く暗雲を切り拓く構想力です。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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