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政府は総合経済対策を発表しました。その中身を見ると、昨今の資源・燃料高対策と思われるものが含まれています。

2008年09月02日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2008/09/02)
政府は総合経済対策を発表しました。その中身を見ると、昨今の資源・燃料高対策と思われるものが含まれています。この一年の資源・燃料の高騰はかつてないほど急激なものがありましたから、政策がその影響を無視していい訳はありません。問題はどのような視点で施策を講じるかです。

最近の資源・燃料高には長らく続いてきた低下価格を取り戻している部分が含まれるといわれます。言い換えると、資源・燃料の低価格に甘んじ、新興国の成長や長期的な資源の枯渇を見据えた社会システム作りを怠ってきたツケが噴き出したということできます。そうであれば、政策としてするべきことは、資源・燃料高が右上がり傾向にあることを前提とした新しい社会システムをどのように作るかを考えることです。

例えば、当面は燃料高で苦しむ分野への支援を行うにしても、根本的な解決にはなりません。必要なのは、エネルギーシステムを革新するための投資や産業構造の転換をセクターごと、かつ体系的に展開することです。体系性のない施策展開は、90年代の付け焼刃的な公共事業がいたずらに長期債務を積み上げるに留まったのと同じことになりかねません。その意味では、今回発表された施策はまだまだ改善の余地があるように見えます。

数年間続いた景気回復も終わり、日本は難しい状況に直面しています。しかし、こうした環境は新しい社会基盤作りに向けたビジョンを立ち上げ、その実現に向けた合意を作り上げるチャンスでもあります。今こそ、将来に向けた英知が問われる時と言えるのです。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上]この時期、松戸は梨狩り真っ盛りです。行きつけの梨園にある100年を超える梨の木です。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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