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神戸で集中豪雨による痛ましい事故が起きました。心よりお悔やみ申し上げます。

2008年08月05日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2008/08/05)
神戸で集中豪雨による痛ましい事故が起きました。心よりお悔やみ申し上げます。

20年くらい前、担当していたプロジェクトのために毎月のようにタイに出張している時期がありました。その頃、時折見舞われるスコールに温帯地域の日本の夕立をはるかに超える激しさを感じたものです。しかし、気がつくと、今や日本でも梅雨の代名詞であったシトシト雨は見られなくなり、かつてバンコクで経験した隣のビルも見えなくなるような激しい雨が毎年のように降るようになりました。

地球温暖化では気温の上昇という大気の変化が問題になっていますが、水の循環にも大きな変化が起こっています。人間生活は海水などの蒸発、降雨や降雪、流水といった地球規模の水の循環に支えられています。我々にとって一番都合がよいのは、できるだけ緩慢な循環です。それだけ、安定して水を利用することができるからです。日本では降雪や長雨が緩慢な水の循環を支えていました。集中豪雨が頻繁に起こり、暖冬が増えてきた昨今の状況はこうした水の循環が大きく変化しつつあることを示しています。世界中で同じようなことが起こっているはずです。

地表の保水力が低下し、地球上に存在する水分量の偏差が大きくなると、農業、防災機能、貯水機能、等、様々な面で社会システムを変えていかなくてはなりません。直近では、大気の変動よりも大きな負担になるかもしれません。21世紀が水の時代になる、ということを具体的に考えなくてはならない時期に来ているのだと思います。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上・下]夏休みの分散取得で箱根に行きました。
山間に咲き誇るゆりです。園内はゆりの芳しい香りで満ちていました。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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