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先々週、北海道の洞爺湖で行なわれたサミットでは地球温暖化問題が大きなテーマになりました。

2008年07月23日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2008/07/23)
先々週、北海道の洞爺湖で行なわれたサミットでは地球温暖化問題が大きなテーマになりました。今回のサミットで合意されたのは、2050年までに温室効果ガスを半減する長期目標を世界全体で共有し、先進国においては中期の野心的な総量目標を実施することです。合意の内容がやや抽象的であることから、不十分という指摘もありますが、ポスト京都に向けた議論が若干なりとも前進したことは確かです。

1997年京都で温室効果ガスの削減目標が決まってから今年で足掛け10年になる訳ですが、この10年間の前半と後半を比べると地球温暖化を巡る議論の進展度合いに大きな差があることが分かります。前半は、京都での合意は得たものの、議定書が発効するまでに8年を要しました。その後も、アメリカが「将来の排出抑制につながるあらゆる交渉を拒否する」としながら2005年の11月末モントリオールで開催されたCOP11、COP/MOP1で何とか将来的な対話のプロセスに関する合意を得るなど、楽観的できる状況にはありませんでした。それから、2年半の間に、2050年までに温室効果ガスを半減する長期目標が共有されたことを考えると議論は決して減速していないことが分かります。もちろん、目標をより具体化するには、今後も厳しい交渉が避けられないでしょうが、経済活動、国民生活に密接に関わるテーマですから、拙速な合意形成は避けなくてはならないことも間違いありません。必要なのは粘り強く少しずつでも前進することです。

今のところ、国内の調整に終始している日本ですが、ポスト京都の枠組み作りに向けて名実ともに世界をリードできるようになることを期待します。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上・下]梅雨も明け、猛暑が続く昨今ですが、夕立が上がった木陰では瑞々しい紫陽花の花を見ることができます。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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