IKUMA message
先日、官民競争入札等監理委員会の専門委員に就任しました。公共サービス等に関わる業務を民間に開放するための議論に参加させていただくことになります。
2008年07月08日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2008/07/08) | |
この10年間、PFI等公共分野への民間参入に関わる仕事に携わってきました。「官から民」をスローガンにした改革は公共サービスの効率化に大きな成果を挙げてきました。しかし、最近、霞ヶ関では小泉政権以来の改革の動きがトーンダウンしているという話を耳にします。改革のドライビングフォースがなくなっていることの現われです。 改革には反対が付き物です。しかし、改革が進まなくて困るのは向かい風を吹かせているご当人自身、ということもあります。改革の対象となっている分野では組織の足腰が弱っていることが少なくないからです。例えば、近年霞ヶ関では優秀な若手の退職が絶えないといいます。仕事柄、世の中の役に立つ仕事がしたい、と思っている学生に出会う機会はたくさんあります。にもかかわらず、政策を作っている霞ヶ関の人材の求心力が落ちているのは、将来に向けた組織の役割や位置づけを示せていないからではないでしょうか。 組織の将来像を示すために不可欠なのは、自分達の役割を明確にし、手がける業務を絞り込み、対象とならない業務は第三者に譲っていく、選択と集中の戦略です。こうして明確なビジョンと組織が動く姿を示すことができれば、それに賛同する若い人を惹きつけることができます。日本の公共団体に将来を捉えたビジョンと行動があるのなら、民間や有識者から言われなくても、民間に任せる仕事がどんどん出てくるはずです。改革の停滞は組織の将来ビジョンの欠如と表裏一体の関係にあるのです。 | |
[ Ikuma's Photo ] [写真下]この春からのニューフェイスと一緒に撮影です。 ![]() |