コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

IKUMA message

ここのところ、景気の先行きが懸念される一方で物価が高騰しています。

2008年04月22日 井熊均


「創発戦略センター」所長の井熊均です。(2008/04/22)
ここのところ、景気の先行きが懸念される一方で物価が高騰しています。その大きな理由の一つは、石油や石炭のようなエネルギー、鉱物資源、そして穀物を中心とした農産物の価格が急騰していることです。これらは、供給量が地球のキャパシティに依存している、という点で共通しています。化石燃料や鉱物資源は埋蔵されている量しか供給できませんし、農産物も地球の循環の範囲内でしか生産することはできないからです。

しかし、限りがあると言っても、人類の活動に欠かすことができないものですから、手をこまねいているわけにはいきません。エネルギーであれば省エネルギーを進める一方で再生可能エネルギーの導入量を増やそうとしています。鉱物資源については、使用効率を上げる一方で、リサイクルや代替材料の開発が進められています。農産物に関する対策は、生産技術の改善やバイオ技術の導入といったところでしょうか。いずれも将来を担う重要な取り組みなのですが、こうした努力を持ってしても、人類の活動規模が地球の供給力を超え始めた、という事態を変えることはできません。今のままでは、どの対策も、いつかは限界に当たらざるを得ないからです。

我々は、そう遠くない将来、地球温暖化問題、資源問題、農産物問題等が示唆する根本的な問題に向き合わなくてはなりません。そこで必要になるのは、人間の活動に必要なだけ供給する、という需要主導の考え方から、地球上にあるものに合わせて活動する、という供給力主導へのパラダイムの転換でしょう。そのことを、何時、誰が語りだすか、が問われているのだと思います。
[ Ikuma's Photo ]
[写真上・下]20日は隅田川で早慶レガッタがありました。
隅田川にかかる何本かの橋をくぐって、手前に見える桜橋がゴールになります。
 ※メッセージは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ