IKUMA message
終戦から60年ということもあり、今年は例年に増して太平洋戦争に関する特集が多いようです。
2005年08月09日 井熊均
「創発戦略センター」所長の井熊均です。 (2005/08/09) | ||
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60年前、8月6日には広島に、8月9日には長崎に原爆が投下され多くの方々が命を落とされ、今もなお被爆の後遺症で苦しむ方々がいます。東京や大阪のような大都市は空襲で焦土と化し、沖縄では多くの民間人が犠牲になりました。太平洋戦争による民間人の犠牲者は数十万人に上ると言われています。悔やまれてならないのは、こうした犠牲の全てが日本が実質的な交戦能力を失った後に生まれていることです。原爆、国内都市の空襲、沖縄戦といった惨劇は、昭和19年終盤のフィリピン・レイテ島沖の海戦で日本の艦隊が壊滅した後に起こっているのです。国が正常な判断力を失うことがいかに大きな犠牲を生むかを如実に物語る事実です。日本は戦後奇跡的な復興を果たしましたが、我々はこうした歴史からどれだけのことを学べているかを考えなくてはなりません。 直面している問題に対処することや明るい未来を語ることは大切です。しかし、過去に目を向けることを怠る中でそれが実現することはないでしょう。時には、浮かれがちな日常から離れ、過去から連綿と続く道程を見つめてみようと思います。 | ||
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