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4-12.健康サービス(2)~血液検査キット~

2007年11月06日 大谷倫恵


 健診は年に一度の実施のため、健康状態改善のために努力しても、その結果は1年後の健診時でないと分からない。十分に成果が出ているのか不明確なまま保健指導期間が終了するケースも想定される。血液検査キットを用いると簡単かつ迅速に健康状態の変化が把握できる。
図表 血液検査キットの検査項目と把握内容
 血液検査キットは、医療法で認められた医療機器でありながらも、自宅等で簡単に結果が分かるものである。市中のドラッグストアなどで購入が可能であり、価格は3000円~6000円程度と医療機関での検査の価格より若干低価格である。検査方法は、購入したキットを使って数滴の血を自分で採取、郵便で検査を依頼し、数日後には、結果が郵便あるいは電子メールで届くという簡易なステップを踏んでいる。
 検査項目は、企業で実施されている健診時の血液検査項目と変わりなく、その精度もかなり信頼がおける。制度上、主婦や従業員の特定健診代わりに利用することはできないが、経過観察用には活躍が期待できる。

 保健指導の対象となった場合、食生活や生活習慣などの大幅な改善を求められることになるだろう。だが、努力の成果であるコレステロール値や尿酸値が改善されたか否かは翌年の健診時まではわからない。
 血液検査キットは、在宅で健診項目に近い科学的データをいち早く知ることができるメリットがある。生化学検査だけではなく、糖尿病、がん、感染症などの疾病の把握が可能なものもある。保健指導で指摘を受けた項目の改善状況を体重や胴囲だけではなく、科学的データを用いた自己管理の機会と位置づける。数値と科学的根拠の提示による意識の改善にキットを利用することが可能だろう。健診を問題発見の機会としてではなく、1年間の健康状態改善状況の確認の機会と位置づけ、補助的ツールとして血液検査キットを導入していくことなどが考えられる。
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