コンサルティングサービス
経営コラム
経済・政策レポート
会社情報

経営コラム

クローズアップテーマ

4-6.健康サービス(1)~簡易型フィットネスクラブ~

2007年09月11日 大谷倫恵


 平成19年度から導入される特定保険指導実施では、被保険者自らの取組み次第で結果が左右される。だが、健診結果が芳しくなかった被保険者等が、自発的に運動や食習慣の改善に取り組むのは容易ではない。被保険者に取組みを促すためには、(1)実施することの楽しみを見出すこと、(2)手軽に実施できること、(3)効果が目に見えることが継続の鍵となる。
 本コラムでは、上記3点に注目して保健指導や健康支援サービス・商品を紹介する。本稿では、簡易型フィットネスクラブを通じた健康管理について考える。

 簡易型フィットネスクラブとは、十数台のフィットネスマシンだけを設置したクラブを指す。大型フィットネスクラブにあるシャワールーム、スタジオなどは設置していない。1回の利用時間は30分程度であり、空き時間を利用して運動できる。店舗の多くは女性専用で、男性の目を気にせずに運動できることを売りとしている。これら特徴が利用者の増加を促している注目のフィットネス業態である。
 本業態は利用者に2つの利点がある。一つ目は、「(2)手軽に実施できること」である。もう一点は、簡易型フィットネスクラブは女性をターゲットとしていることから、「美容効果」、「体質改善効果」を訴求し、3ヶ月程度で「(3)効果が目に見える」としていることである。
 メタボ対策は中年男性が主対象となることから、女性専用簡易型フィットネスクラブのコンセプトとは異なる。だが、「(2)手軽さ」、「(3)効果の実感」は共通項となる。「運動しなさい」と指導するよりも、身近な場所に短時間で運動できる施設を提供する方が実効性に期待が持てる。
 メタボ対策の一環として事業所内に簡易フィットネスクラブを設置するのも一考ではなかろうか。大阪ガスや大手新聞社など、社内に簡易型フィットネスクラブを設置している事業所がある。社内で10坪~30坪程度を確保し、運動の「場」を提供することは「(2)手軽さ」ばかりでなく、運動できない言い訳を排除する効果が大きい。保健指導に馬耳東風の積極的支援対象者には運動を半強制的に督促する必要があろう。
「(3)効果」は成果を公表する等で「やれば効果が出る」ことを認知してもらう。成功事例を誇示することはダイエットサービス等による基本的なマーケティング手法である。
 「(1)楽しみ」の提供は容易ではないが、個人目標を達成すれば表彰し、景品を提供する等で代替する。より一層の効果を狙う手段として、対象人物を中心としたグループを組成し、対象人物が逃げられない状況を作る方法も考えられる。周囲が一丸となって、対象人物を応援する。他グループと競い合い、目標到達を目指す。
 特定保健指導計画を実施することによる費用対効果を得るためには、保険者、被保険者双方の健康管理に対する取組みの姿勢が肝要である。簡易型フィットネスクラブの設置は費用対効果に優れた方法である。
経営コラム
経営コラム一覧
オピニオン
日本総研ニュースレター
先端技術リサーチ
カテゴリー別

業務別

産業別


YouTube

レポートに関する
お問い合わせ