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4-17.ヘルシーカンパニーのススメ(3)

2007年11月27日 


 多くの企業は「定期健康診断」を通じて従業員の健康管理を図ってきている。ただし産業医や保健師・看護師を常駐させている事業所は5割にも満たないのも現状であり、企業が内部資源の活用のみで継続的にかつ独自のプログラムで取り組むには限界がある(注1)。企業がヘルシーカンパニーを目指す上では、外部サービスの有効活用が肝心である。


■ヘルシーカンパニー構築を支援するサービス
 社内だけで対応が難しいものの代表がメンタルケア関係だ。産業医等の内部の人には相談しない上、復職までのプロセスに人手がかかるからだ。だが、メンタルケアがなおざりだと自殺等の事態を招き、多額の損害賠償を求償されるケースもある。これらのリスクに総合的に対応するのがEAP(Employee Assistance Program:社員支援プログラム)である。近年、多数の企業がメンタルヘルス対策に取り組んでいるが、対策は以下の2種類に分けられる。

 ・医療機関やカウンセラーによる「対個人のメンタルヘルス対策サービス」
  →ストレス性の高い社員を対象としたカウンセリングや定期的なメンタルヘルスチェックの実施
 ・企業組織・人事を対象とした「対企業のコンサルティングサービス」
  →職場作りに関する具体案の提案、休職・復職プログラムの提案、作成支援、社内セミナーの実施など

 上記の対策は共に一定の基準や仕組みを導入することで「企業内で従業員の健康を管理・支援」する側面が強いものである。その他、損害保険ジャパンではヘルシーカンパニー関連のセミナーを開催するなど(注2)、労災リスクや企業の信用力低減のリスクについての検討も進められているが、これらの取り組みは従業員のメンタルヘルスを指標で「管理」することを前提としたアプローチである。


■サービスをいかに利用してもらうか
 だが、メンタルヘルス関連のサービスは、必要性は理解できても「受けてみたい」というモチベーションには乏しい。
 JTBヘルスツーリズム研究所では、メタボリックシンドローム対策のほか、メンタルヘルスや禁煙治療などを旅行と組み合わせ、エンターテイメント性を持たせた健康増進プログラムの開発へ本格的な参入を開始(注3)している。「楽しみのあるサービス」と組み合わせることによって利用率の向上につながり、個人の生活習慣を変えるきっかけをより効率的に提供することが期待される。

(注1)
同上。労働者の健康管理対策の重要な課題として、事業所規模が大きくなるにつれて「定期健康診断の事後措置」や「心の健康、「健康教育、相談」といった回答が多く見受けられるが、固定費や人件費等の面からの課題も多い。


(注2)
損害保険ジャパンでは2007年6月に「ヘルシーカンパニーの実現に向けた産業保険に求められる課題 ~企業におけるあるべきメンタルヘルスケア対策~」というセミナーを開催し、メンタルヘルスケア対策の必要性をアピールしている。


(注3)
トラベルビジョン
(http://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=31036)参照
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