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プロスポーツと同等の注目を集めるアメリカのカレッジスポーツ

2008年03月14日 宮田雅之


代表的な「コト消費」として「スポーツ観戦」が挙げられます。日本ではプロ野球やJリーグなどのプロスポーツの話題が、連日新聞紙上を賑わしています。一方、スポーツの本場アメリカでも、MLB(野球)やNBA(バスケット)、NFL(アメリカンフットボール)などプロスポーツが人々の関心を集めていますが、それに加え大学生によるスポーツ(以下、カレッジスポーツ)が大きな注目を集めています。

日本のカレッジスポーツは、野球の早慶戦やラグビーの早明戦など一部の人気カードを除き、世の中的な注目度はプロ程高くはありません。筆者自身も、カレッジスポーツを生で観たのは、学生時代に母校の試合を応援に数度足を運んだ程度で、卒業後はすっかりご無沙汰しています。興味が無い訳ではないのですが、なかなか足を運ぶきっかけがありません。

カレッジスポーツは大学と地域をむすぶ一大産業

アメリカのカレッジスポーツは、日本とは全く状況が異なります。学生はもちろんのこと、地域の人達が大勢応援に訪れます。特に、アメリカンフットボール(以下、アメフト)の人気は高く、シーズンになると試合の度に地元の大学を応援に行くファンが少なくないようです。まさに「おらがチーム」です。日本でも高校野球が地域を巻き込んだイベントになっていますが、日常生活への入り込み具合は、アメリカのカレッジ・フットボールにはかなわないようです。

アメリカでは、カレッジスポーツは一大産業としての顔も持っています。あるアメフト人気校の事例を調べて見たところ、ホームゲームは学生数が1万人に満たないにも関わらず、8万人収容のスタンドはスクールカラーのウェアを着た観客で満員。大学内のギフトショップの売上は、ホームゲームの行われる週は約200万ドルに上るそうです。また、テレビ局から多額の放映権料も入ってきます。もちろん全ての大学に当てはまることではありませんが、カレッジスポーツが学生だけではなく、地域の人達を含めた幅広いファンに支えられていることが伺えます。

日本におけるカレッジスポーツの可能性

その点、日本のカレッジスポーツには、「地域の人達と共に楽しむイベント」と言う発想があまり感じられません。筆者自身、学生以外の人が、大学のロゴ入りのウェアを来て、応援に来ている姿を見たことは記憶にありません。それ以前に、学生でさえもお揃いのウェアで観戦に来ている姿は殆どみられません。そもそもみんなで一緒に楽しむ、と言うコンセプトにはなっていないように感じます。これでは、カレッジスポーツが大きなイベントになるはずもありません。

日本の大学は少子化時代を迎え、学生の獲得競争が激しくなって行くことが予想されます。筆者の経験では、大学に入った喜びを実感するのは「スポーツ観戦」に行って、母校を応援している時だったりします。そんな大切な機会を地域の人達とも一緒に楽しめたら、さぞ盛り上がり、深く心に刻まれると思います。これまでクラブに運営を全て任せていたカレッジスポーツを、大学経営者が戦略的にサポートすることによって、大学の魅力アップにつなげてみてはいかがでしょうか。


日本のカレッジスポーツも、人気カードには大勢の観衆が集まります


応援も華やかで、イベントとして可能性を強く感じます

※当レポートは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
※当レポートに掲載されている写真は、資料用に研究員個人が撮影したものです。
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