クローズアップテーマ
ショッキング・ピンクでイメージ一新(フォション)
2007年08月20日 宮田雅之
フランスの食を伝える高級店「フォション」がコンセプトを一新しました。筆者にとって、フォションと言えば四角いゴールドの缶に入った紅茶を思い出しますが、この度、鮮やかなピンク色を基調としたモダンなデザインに様変わりました。
この話を聞いた時、ピンクと言う色がフォションの新コンセプト「コンテンポラリー・ラグジュアリー・フード」にマッチするのか半信半疑でした。しかし、実際に店舗を訪れてみると、若々しさの中に、いまの時代に合った高級感もしっかり演出されていました。この辺りのセンスは、さすがフランスと言ったところでしょうか。
新しいコンセプトにリニューアルした店舗は、以前と比べて、集客力が着実にアップしているように思います。高級品ビジネスにおける、ブランド・イメージの大切さを、改めて感じました。一般的にブランドの若返りは難しいと言われていますが、フォションは見事に成功している事例と言えるのではないでしょうか。
フォションは、物販だけでなく、カフェでも新しい業態にチャレンジしています。新宿タカシマヤに「フォション パリ・ル・カフェ」を4月にオープンしました。上層階の飲食フロアではなく、1階の売場の真ん中に構えたところにただならぬ意欲を感じます。
早速カフェを訪問してみると…店の斬新なインテリアやシックな制服にフランスのエスプリを感じることが出来ます。ケーキや紅茶も期待を裏切らない美味しさでした。しかし、残念な点がありました。それは、スタッフの人たちにあまり笑顔が見られなかったことです。パリのカフェを訪れた時のようなフレンドリーなコミュニケーション術で、よりブランドに磨きをかけて欲しいと思いました。
尚、こちらのカフェは、ケーキや紅茶の他に、ショップで売っている食品やワインもメニューに載っています。次回は、買い物の疲れを、グラスワインとオシャレなオードブルで癒してみたいと思います。


※当レポートは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
※当レポートに掲載されている写真は、資料用に研究員個人が撮影したものです。