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値段が高くても買いたい商品・サービスに関する意識調査

2007年03月20日 宮田雅之


株式会社日本総合研究所 総合研究部門 ビジネスデザインクラスターは、このたび「値段が高くても買いたい商品・サービスに関する意識調査」を実施しました。
今回の調査は、2007年2月27日から2月28日までの期間に、MDB※登録モニター(約13万人)から全国の20代以上の男女を抽出し、有効回答を得た311人のデータを基に集計しました。 
※MDBとは㈱日本能率協会総合研究所の運営するマーケティング・データ・バンクの略。

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【調査結果の概要】
消費者はどのような商品・サービスに対して「値段が高くても買いたい」と思っているのか、それは年収により異なる傾向があるのかについて調査を試みました。今回の結果では、年収1,000万円以上は、1,000万円未満に比べ「コト消費」の出費に積極的な人が多いという傾向が見られました。また「値段が高くても買いたい」ブランドについても、年収により考え方に違いが見られました。
「値段が高くても買いたい」ブランドを、全体で集計すると「ソニー」「トヨタ」が上位となりました。年収1,000万円以上では「ルイ・ヴィトン」が上位となりました。

【回答者の属性】


【値段が高くても買いたい商品・サービス】
全体の上位3位は、「電化製品(パソコン含む)」(19.6%)「旅行」(13.2%)「車」(11.9%)となりました。
年収別に見ると、年収1,000万円未満では「電化製品」という回答が高く、年収1,000万円以上では、「演劇等の鑑賞やスポーツ観戦等」が高いという違いが見られました。コト消費に関する5項目(外食、旅行、趣味、スポーツ、演劇)の内、スポーツ活動を除く4項目は年収1,000万円以上が上回っており、年収が高いほどコト消費への関心が高い傾向が伺えます。


【値段が高くても買いたい理由】
全体では、「高いものにはそれなりの価値がある」が最も高い結果となりました。
年収別に見ると「最高の経験や体験がしたい」の差が最も大きく、1,000万円以上が18.6%と、1,000万円未満を10ポイント以上上回っています。これは、年収が高いほどコト消費への関心が高い傾向があることと、関連している可能性があると考えられます。


【値段が高くても買いたいブランド】
「値段が高くても買いたい」ブランドを自由に記述してもらいました。全体では「特にない」(25%)が最も多くなりましたが、最もブランド名が挙がったのは「ソニー」(7.1%)でした。これは、「値段が高くても買いたい商品・サービス」の1位が電化製品であったことと関係していると推測されます。
年収別に見ると1,000万未満ではソニーを挙げる回答者の割合が最も高く、年収1,000万以上で最も多かったのは「ルイ・ヴィトン」でした。

ブランド名としては“コト”よりも“モノ”を挙げる人が圧倒的に多く、まだまだサービスがブランドとして消費者に認知されるに至っていない可能性が指摘できます。

【値段が高くても買いたいブランドを評価する理由】
「値段が高くても欲しいブランドはなぜ欲しいのか」という質問に対し、全体で最も多かった理由は、「品質や性能が高い」でした。特に年収1,000万円未満での回答率が高く、「品質や性能」という「具体的で目に見える価値」を重視する傾向があると考えられます。
一方、年収1,000万円以上では「信頼感」「歴史や伝統」を評価する割合が比較的高く、「目に見えない価値」、つまり商品・サービスの背後にあるブランドのストーリーを重視している可能性が指摘できます。1,000万円以上で「ルイ・ヴィトン」の支持が高かったこととの関連性が推測されます。
また、男性は「品質や性能」をより評価し(男性37.5%、女性29.8%)、女性はデザインを評価する割合が高い(女性13.9%、男性8.1%)、という性別による違いも見られました。


【自己分析】
今回、回答者自身の性格・考え方についての質問を幾つか行いました。その中で、「人から尊敬され認められたいかどうか」という設問で、年収による差が見られました。
年収1,000万以上では「尊敬され認められたい」「どちらかといえば尊敬され認められたい」と回答した人の合計が48.8%に上っていますが、年収1,000万円未満では36.2%と、10ポイント以上の差がみられました。
また、女性は「尊敬され認められたい」「どちらかといえば尊敬され認められたい」の合計が44.4%と、男性の31.9%に対し12.5%高いという違いも見られました。


年収の高さと「尊敬され認められたい」という心理的欲求の間により明確な関係性が指摘できる場合、販売促進の上で次のような展開が考えられます。例えば、年収の高い顧客に対して商売をする場合、販売しようとしている商品・サービスの価値の高さを説明するだけでなく、その価値を理解できる客であることを伝えること、つまり、相手を尊敬し認める態度を適切に示すことが、クロージングに効果をもたらす可能性が考えられます。

【買い物はストレス発散になるか】
女性は49.0%が「買い物でストレス発散したい」「どちらかというと買い物でストレス発散したい」と答えており、男性(23.3%)の2倍以上となりました。
女性にとって、買い物は単に商品・サービスを買う行為ではなく、精神的な意味合いの大きい行為であることが推測されます。

【終わりに】
今回の調査では、「値段が高くても買いたい商品・サービス」は年収により違いがあるという結果になりました。また、値段を高く払う結果として享受したいことや、値段が高くても買いたいブランドを評価する理由についても、年収による違いが見られました。さらに、個人の性格・考え方と年収との間に関係性がある可能性を引き出すことができました。
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