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ケン・ブランチャード&ジェシー・ストーナー「ザ・ビジョン」【中川 隆哉】(09.03.16)

2009年03月16日 


*本稿は、ケン・ブランチャード&ジェシー・ストーナー著「ザ・ビジョン」(タイヤモンド社)を読んで、筆者の意見をとりまとめたものです。

 『1分間マネジャー』の著者ケン・ブランチャードが、ビジョン・戦略研究の権威であるジェシー・ストーナーとの共著で、物語形式で著した本書の要旨を紹介し、あわせて筆者の見識を述べてみたい。

 本書では、説得力のある企業ビジョンを生み出すために必要な3つの基本要素を挙げている。

1.有意義な目的
 -企業の存在意義・使命であり、“企業がなぜそのビジョンを掲げるのか”という問いに答えるものである。
2.明確な価値観
 -目的を達成するために、“なにを判断基準としていかに行動するのか”という問いに答えるものである。
3.未来のイメージ
-“ビジョンを達成したときに企業や個人がどうなっているのか”という問いに答えるものである。

 筆者の属する経営革新クラスターでは、「ビジョンに対する共有(理解)・共感(納得)・共鳴(自律)」こそが、合理的な戦略のPDCAを徹底する組織へと導くと主張しており、そのためにビジョンが具備すべき要件はまさに本書で語られているとおりである。ところが実際には、上記要素が全て備わっているケースは稀であり、ビジョンそのものが掲げられていないことも珍しくはない。また、3要素の中でも根幹をなす「目的」について十分な議論がなされておらず、たとえば3年後に売上○○○億円と掲げていても、その理由は単に“きりがいい数字だから”、“現在の1.5倍にしたから”といった曖昧なことが多い。経営環境が厳しさを増す中で、向かうべき大きな方向性であるビジョンを明確化し、企業全体のベクトルを合わせることは極めて重要であり、トップマネジメントが最優先で取り組むべき事項と考えるが、皆さんの会社においてビジョンの共有・共感・共鳴は進んでいるであろうか。

以上

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