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APPで自動車の作業部会設置が提案されました

2008年05月26日 熊井 大


 米国シアトルで開催された「クリーン開発と気候変動に関するアジア太平洋パートナーシップ」(APP)の政策実施委員会で、日米などが自動車の作業部会(タスクフォース)を設置するよう提案しました。運輸部門は、分野別の世界のCO2排出量において約2割を占め、そのなかで、自動車は運輸部門の排出量の約9割を占めています。5月20日の日本経済新聞(夕刊)では、作業部会は年内にも立ち上がる見通しで、船舶や航空は今後検討すると報じました。

 今まで記事として報じられてきませんでしたが、APPにおいて、既に設置した鉄鋼や電力、セメントなど8つの作業部会に加えて、運輸を追加すべく、日本政府は水面下でおよそ2年間も活動を続けてきました。

 2006年4月、当時、私は国土交通省において運輸部門の地球温暖化対策の担当官をしていました。米国バークレーで開催された政策実施委員会において、米国から運輸部門の作業部会の設置について議論したいと各国に意思表明がなされました。日本は事前に米国運輸省からレターを受け取り、この作業部会の設置に向けて賛同して欲しいという米国の意思を尊重して、政府内や業界団体との調整に奔走しました。しかし、各者の利害関係もあるため、日本が一枚岩で動くには相当厳しい状況だったと記憶しています。

 あれから2年、新聞には業界団体も協力して、官民共同で技術移転を進めると記載されており、モータリゼーションの進展が著しい中印に対応を求めるところまで来ました。私は感無量とまでは言わないものの、関係者に対し敬意を払うと共に、どの国が議長、副議長のポストをとり、リーダーシップを発揮するのか、今後の動向を見守りたいと考えています。
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