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次世代農業コンソーシアムにおける植物工場への挑戦

2009年07月07日 青山貴紘



現在、日本総合研究所では「次世代農業コンソーシアム」を運営しています。コンソーシアムでは、日本の農業再生につながるような新規ビジネスの立ち上げについて、20社以上の民間企業と協力しながら知恵を絞りあい、検討を行っています。昨今の景気低迷に伴い、世の中では低価格志向が過剰になっているように感じます。農産物もその影響をうけ、農家の経営が圧迫されています。そこで次世代農業コンソーシアムでは、農産物の価値が正当に認められ、消費者が納得して相応の対価を支払うような社会の構築を目指すことをコンセプトとして掲げています。そのためには、一定の付加価値のある農産物を生産し、それをきちんと消費者へアピールすることや、価値を認める消費者とのマッチングを図っていくことが重要です。

付加価値のある農産物を生産する手段の1つとして我々が有力視しているのが、植物工場です。露地栽培やハウス栽培では、農地の土壌で栽培を行いますが、植物工場では閉鎖空間の中に土壌や水耕液を導入し、栽培を行います。そのため、害虫の被害を気にする必要がなく、農薬散布が不要であり、安全・安心な農産物が作れます。また、温度、湿度、照度等を最先端の科学技術で制御することで、常に最適条件での栽培が可能であり、1年中、味の良い農産物を供給することが可能です。加えて、最適環境ならではの多期作(レタス類では20期作以上)も可能で、農地の少ない日本において農産物生産の単収向上を実現させる極めて有望な技術と言えます。

植物工場事業は、現在急激に注目を集めています。様々な企業の新規参入に加え、政策面でのバックアップも充実しており、普及を促進する補助金等が用意されています。農林水産省や経済産業省では、現在全国50ヶ所の植物工場を3年後に150ヶ所に増やす方針を発表しています。

次世代農業コンソーシアムには、植物工場事業の先駆的企業や、有用な技術を持った企業にメンバー社としてご参加いただいています。時代の追い風とコンソーシアム参加企業の知恵を集結し、植物工場の普及・最先端工場の開発に挑戦していきたいと考えています。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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