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Sohatsu Eyes

太陽光発電時代の舵取り

2008年07月08日 荒井直樹


先日6月22日の日経新聞にて、国内の太陽光発電の導入拡大を図るための補助制度や税制優遇などを拡充することを、新エネルギー部会が緊急提言するとの報道がなされました。これは、6月9日に発表された福田ビジョンを受けてのものと推測されます。福田ビジョンは、低炭素社会の実現に向け、セクター別アプローチの提案や排出量取引の試行的実施などを提唱していますが、再生可能エネルギーに関しても非常に意欲的な目標を掲げています。
太陽光発電に関しては、「世界一の座を奪還するため、導入量を2020年までに現状の10倍、2030年には40倍に引き上げることを目標として掲げる」という力強いメッセージがあり、これはまさに、再生可能エネルギー時代の新たな幕開けともいえる、大きな舵取りといえるでしょう。

一方、企業の動きも貪欲です。欧州を中心とする市場において、太陽光発電市場が急拡大しており、世界各地で参入企業が相次いでいます。シリコン原料の不足が取り沙汰された時期には、ポリシリコン事業への参入企業・参入表明企業だけでも、一気に数十社出てきました。また近年では、結晶シリコン系の太陽電池だけでなく、薄膜系や化合物系と呼ばれる太陽電池の製造事業への参入も相次いでおり、競争が激化しています。
特に、過去数年間は、アメリカ、ドイツ、スペイン、中国などから多くのベンチャー企業の台頭が見られましたが、近年ではそれらに加え、さらに異業種大手企業の参入が増えています。その中には、IBMやインテル(スピンアウト)といった、これまでまさか太陽電池市場に参入するとは想像もできなかったような企業も見られるのが特徴ではないでしょうか。

まさに日々激変しています。政府においても企業においても、市場環境の変化に合わせた絶妙な舵取りと、積極的なギアチェンジが求められています。今後も、引き続き目が離せないマーケットとなることは間違いなさそうです。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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