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Sohatsu Eyes

大学発ベンチャー

2005年02月22日 金子 直哉



2001年5月の「大学発ベンチャー1000社計画」の発表を契機に、日本でも大学発ベンチャーの創出が活発となり、その後の2年間(2002年度、2003年度)で約800社のベンチャーが生まれたことが報告されています(2004年4月の経済産業省発表に基づく)。
ところで、世界の中で最も多くの大学発ベンチャーが生まれているのはアメリカになりますが、このアメリカの中で最も起業率が高い(大学の規模に対するベンチャー起業数が多い)のが、カリフォルニア工科大学だと言われています。

そんなわけで、米国出張の際には、できるだけカリフォルニアに立ち寄り、最新の起業動向を探るようにしているのですが、現地の会合を通じこれまでに伺った様々なサクセスストーリーの中で、特に次の事例が印象に残っています。それは、アプライド・バイオシステムズという会社の話です。
カリフォルニア工科大学教授であったリーボイ・フッド氏は、1980年代の初め、DNA配列を調べる装置を開発していました。しかし当時は、政府や大学から十分な援助を受けることができず、声をかけた19のベンチャー・キャピタルからも全て支援を断られたそうです。しかし、そんな中で一人のベンチャー・キャピタリストがフッド氏の研究に目をつけ、数百万ドルの資金提供に応じました。その結果、1984年にアプライド・バイオシステムズという大学発ベンチャーが生まれたのです。
その後、この会社は成長を続け、最終的には1993年に、3億3千万ドルという高額で買収されるまでになっています。
カリフォルニアに立ち寄ると、大学発ベンチャーを“事業としての成功”に結びつけるために、日本において「ベンチャー・キャピタリストの育成・強化」を図ることの重要性を強く感じます。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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