Sohatsu Eyes
相違からの学び
2005年03月08日 白鳥 わか子
CSRの認知が進むとともに、ダイバーシティ(diversity:一般には「多様性」と訳されます)という言葉を耳にする機会も多くなりました。CSRに積極的に取り組む企業の中には、「ダイバーシティの推進」を企業目標として掲げ、様々な取り組みを行っている企業も少なくありません。 「ダイバーシティの推進」の具体的な取り組みを尋ねられた時、「女性の活躍の支援」や「高齢者・障害者の雇用推進」などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。確かに、これらはダイバーシティを推進するための重要な取り組みです。ですが、ダイバーシティとは本来、「女性・高齢者・障害者の活躍」それ自身だけを目的としているのではありません。
ダイバーシティの本質とは「相違からの学び」です。性別、年齢、人種、国籍・・・社会には様々な「異なる属性」の人々が存在します。それらを互いに「受容」し、認め合うことからさらに一歩進んで、違いから様々なことを学び、創造性を高めるために活用していこう、という考え方です。
「違い」は時に様々な衝突を生みます。異なる常識、異なる判断基準、異なる好み・・・「異質なモノ」の受け入れに何の抵抗も持たない人は、おそらく存在しないでしょう。しかしながら、その衝突を恐れずに、コミュニケーションを重ね、互いの違いを受け入れることで、人は様々なことを学ぶことができるのです。
そしてその、多様さを受け入れ相違から学ぶ姿勢が、個人だけでなく、企業にも求められているのではないでしょうか。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。