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Sohatsu Eyes

テーマに魅せられる

2005年03月22日 西村実



1990年、当時の上司が米国に出張した際に、たまたま半日時間が空いたので、現地のコンサルタントに環境関連で何か面白い会社はないかとリクエストしたところ、バイオレメディエーションという汚染した環境を微生物の力で浄化する技術を事業化している会社を紹介されました。
その会社は、当時バイオレメディエーションでは米国のトップ3に入る会社でした。上司はその会社の幹部と面談し、シアトル市にある彼らの土壌汚染浄化現場に足を運んだ瞬間に、直感的に「これはいける」と感じたとかで、その場で業務提携の話をまとめました。

私は、国際電話でこの会社とのプロジェクトを立ち上げるよう命ぜられました。国際宅急便で送られてきた資料を見た第一印象は、まだ日本にはバイオレメディエーションという考え方や用語すらなかった時代でしたが、バイオテクノロジーの新たな可能性を感じる魅力的なものでした。
市場となる土壌地下水汚染の状況を調べたところ、日本ではまだ土壌汚染に関する基準も法規制も未整備でしたが、将来必ず欧米並みに強化されるという予感もありました。翌年、日本での事業化を目指したコンソーシアムを立ち上げました。それ以来、今日に至るまで継続的に取り組んできました。それが出来たのはこのテーマに魅せられたからです。様々なプレーヤーが参加した結果、バイオレメディエーションは今では土壌汚染対策技術のキーテクノロジーとして普及しました。
バイオレメディエーションへの取り組みを通して、新しいことを実現するにはそのテーマに惚れ込み粘り強く継続することがいかに大切かを体験しました。また、この仕事を通じて培った米国の専門家との友情はかけがいのない財産であり、新しいアイデアやプロジェクトの源泉となっています。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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