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Sohatsu Eyes

新エネの「地産地ショウ」

2005年03月22日 西村 慶太


京都議定書の発効により、CO2削減の取組み促進は待ったなしとなっています。新エネルギー(新エネ)はその有力な手段である一方、コストが高いといった課題もあります。今回は新エネの導入メリットや今後の促進策について、新エネを表すキーワード「地産地消」(地域で産出したエネルギーをその地域で利用する)の「消」の字を置き換えながら、示してみたいと思います。
新エネの導入メリットはCO2の排出が全くない、または従来と比べて少ないだけではなく、2つのメリットがあります。 1つが省エネ効果、「地省」です。新エネを身近に感じることは、エネルギーや環境に対する意識を高め、省エネ行動を促します。

昨年、住環境研究所が発表した調査では、太陽光発電を導入した550世帯の内、57%が省エネ行動を取るようになったという結果が出ています。また、太陽光発電と小型風力発電を導入したある学校では、生徒の環境意識向上に成功し、省エネ行動が率先してとられるようになりました。この効果は新エネ発電によるコストメリットの8倍近くに上っています。
もう1つは「地笑」、「地勝」です。新エネには環境性以外にも教育効果やPR効果、ホビー性という面があります。経済性が多少見劣りしても、これらに目的を見出しているのならば、導入は行われるのです。事業者の方からは、優れた導入事例の表彰、公的な認証制度といった施策は導入の動機となるとも伺います。補助金の交付など、行政の果たす役割は大きいですが、「地賞」、「地証」もコストパフォーマンスの高い施策と言えるでしょう。
しかし、これだけでは十分ではなく、新エネが本当に普及するためには「地商」、ビジネスとして成立、「地承」、継続していくことが重要です。そのためには新たな技術や優れた利用方法の開発が必要となります。マイクログリッド(一定エリア内において、新エネを含む複数の分散型電源等を組み合わせて制御・運用する電力供給システム。経済性や電力供給の信頼度の向上が図られる。)は期待される技術の1つです。いよいよ開催される愛知万博でも公開される予定です。皆様も御覧になってはいかがでしょうか。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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