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Sohatsu Eyes

賢い制御による省エネ

2005年05月10日 市川 元幸


昨今、家電売場に行くと「省エネ基準達成率122%」といった「省エネ」表示をよく目にします。 個別製品の省エネ性能向上はよいことですが、家庭のエネルギー消費量・CO2排出量を抑えるには、利用者が自らの行動を意識的に変えていくことも必要です。
CO2排出量といえば、最近、マイクログリッド(ネットワーク化された分散型電源)への期待が高まっています。

(1)需要変動に柔軟に対応できる、(2)電熱併用が可能、(3)自然エネルギーとの相性がよい、などのメリットがあるからです。他方、ネットワーク化費用などのコスト高要因があり、ビジネス化には一層の付加価値向上が求められています。
この付加価値向上の一方策として、利用者の行動の視点から、「賢い制御」を考えてはどうでしょうか。「賢い制御」とは、電力需給の一致、電力品質の確保だけではなく、利用者に省エネを促すよう「適度なストレス」を感じる程度の影響を与えることを意味します。スポーツや習い事のように、苦痛まではいかず、かといって楽すぎもしない程度の制約を受けることが、意識的な省エネを継続するのに効果的だと思われるからです。
各個人で異なる許容度に応じた「賢い制御」を可能にするためには、異なるバックグランドの専門家の共同作業による技術的課題の明確化が必要です。日本総研は、民間企業約30社と組成したDESS(Decentralized Energy System & Software)コンソーシアムで、マイクログリッドを含む分散型エネルギーシステムのビジネス化に取り組んでいます。そのなかで、顧客志向型の「賢い制御」を実現させたいと思っています。

〔写真〕鎌倉・瑞泉寺の冬桜。水戸黄門光圀公のお手植えとして天然記念物に指定されています。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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