Sohatsu Eyes
Bio Net.コンソーシアム始動
2005年06月07日 赤石和幸
日本総合研究所では、新エネルギー燃料を供給するビジネスを事業化すべく、バイオガスネットワークコンソーシアム(略称 Bio Net.コンソーシアム)を開始させて頂きました。 日本は、京都議定書の発効を受け、1990年対比で6%の温室効果ガスを削減する必要があります。この厳しい削減目標を実現するためには省エネのほかに、風力や太陽光、そしてバイオエネルギーを普及させる仕組みづくりが重要です。
Bio Net.コンソーシアムでは、家畜糞尿、下水汚泥、食品廃棄物などの有機性廃棄物から発生するバイオガスを供給するインフラを構築し、病院、工場、レストランなどで幅広く使用できる仕組みづくりを目指します。バイオガスはカーボンニュートラルな燃料であるとされ、例えば、既存燃料の代替として10%使用した場合、混合率だけCO2削減効果が得られます。基本的なビジネスモデルは、(1)小型のバイオガス施設を各発生源に設置し、ネットワーク化。(2)バイオガス施設では発電は行わず、バイオガスだけ回収。(3)ガスボンベにて、需要家のもとに配送・供給、といったシンプルな仕組みです。(図表参照) バイオガスは生物由来であるゆえ、発生量や性状がばらつくなど、課題はありますが、コンソーシアム内にて検討し、需要家にとって使い勝手の良いエネルギー源としたいと考えています。

Bio Net.コンソーシアムの活動期間は、1年間を予定しています。まず、畜産農家が多い北海道での検討を開始します。北海道での検討結果を踏まえ、東北、関東、九州などの酪農地帯、そして食品工場、下水処理場など、全国にバイオガス供給ネットワークを拡大させる予定です。
日本を初め、バイオマス先進国のドイツでも、バイオガス供給を目的としたビジネスは存在しません。数年後には、先進国に先駆けて、国内の需要家が化石燃料に代わり、新エネルギーを選択できる社会が訪れると思います。
エネルギーの自給率が20%にも満たないわが国では、バイオエネルギーといった純国産のエネルギー源を確保することを本気で考えるべき時期にきたのではないでしょうか。
コンソーシアムの詳細をお知りになりたい方は、下記までご連絡下さい。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。