
2年に一度開かれるUNEP FIのラウンドテーブルが、この10月25~26日に開催され、出席しました。今回の会場はニューヨーク・国連本部。普段は経済社会理事会が開催されるECOSOC Chamberという部屋が会議の場所となりました。この部屋の特徴はパブリックギャラリー頭上の天井にあるパイプとダクトだといわれています。設計者は「建築家は有益なものは覆わなくて良い」と考えたそうです。「仕上げていない」天井は、国連の経済社会活動には終わりがない、すなわち世界の人々の生活状況を改善するためになされることは常にあることを思い出させる象徴であると見なされているといいます。
2日間の会議は、金融という経済活動が世界の持続的発展のために何が出来るかを問う真摯なものでした。普段は激しい競争や合併・再編などを繰り広げる世界の金融機関が、ひとつの目標のために議論しあう雰囲気は、感動的でさえありました。それはきっと、この「仕上げていない」天井の存在のおかげだったに違いありません。持続可能性に配慮した金融のあり方を考えるというテーマを、自分はこれからも追いかけていきます。
※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。