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Sohatsu Eyes

水素エネルギー

2005年11月22日 荒生元


現在の生活で主に利用されているエネルギーは電気とガスですが、将来的には、水素を燃料として利用することが考えられています。水素を燃料にして、燃料電池によって取り出した電気と温水を生活に利用しようというものです。

水素は、石油やガスなどの化石燃料だけでなく、バイオマスや自然エネルギー(風力発電などの電気を利用して水の電気分解により取り出します)など、様々なものから取り出すことができます。また、水素を燃料とする燃料電池は、効率がよく、発電の際にSOX、NOXなどの大気汚染物質、地球温暖化の原因となるCO2を排出しないという長所があります。そのため、バイオマスや自然エネルギーから取り出した水素を燃料電池の燃料に利用すれば、化石燃料を使わず環境汚染物質も出さない、完全にクリーンなエネルギーとして利用することができます。

水素エネルギーに関しては、輸送のためのインフラの整備、燃料電池のコストダウン、安全性の確保など解決すべき課題が多く残されているため「遠い将来の話」という認識がありました。しかし、京都議定書の発効、原油価格の高騰などから、そう遠くない将来、水素がエネルギーの中で中心的な役割を果たすという期待が高まってきました。

エネルギー分野は市場規模が大きいことから、水素エネルギーへの転換点を産業振興の機会ととらえ、産学官の連携組織を立ち上げて先行的に取り組もうという動きがあります。また、天然ガス自動車の燃料に少量の水素を混合する「ハイタン」自動車の導入を計画する動きもあります。現状でも実現できる方法で、少しでも生活の中に水素を取り込んでいき、水素エネルギーが普及しやすい環境づくりをしようというものです。

※eyesは執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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