Business & Economic Review 2006年10月号
【REPORT】
「貯蓄から投資への流れ」の実態と加速するための諸課題
2006年09月25日 調査部 理事 足立茂
要約
「貯蓄から投資への流れ」を加速させることは政府が目指す「金融サービス立国」実現の必要条件であるばかりでなく、リスクマネーの安定供給を通じた経済の活性化や金融システムの安定性向上にも資する。また、株価と個人消費の相関が強まるなか、資産効果を通じ個人消費刺激効果も期待できる。
そこで、本稿では「貯蓄から投資への流れ」が現在どの程度進展しているのかを家計の金融資産選択と投資家層の広がりの両面から概観し、そのうえで「貯蓄から投資への流れ」を加速するための諸課題について考察する。