Business & Economic Review 2007年10月号
【OPINION】
IT行革で成長戦略の実現を-先行する各国の取り組み
2007年09月25日 藤井英彦
1.はじめに
わが国の公的セクターで深刻な事件が相次いで明るみに出ている。年金記録問題や耐震偽装事件、夕張市に代表される財政危機など、様々な分野で問題が露見しており、国と地方とを問わない。こうした状況に即してみれば、わが国の公的セクターはすでに重篤な機能不全に陥っている懸念が大きい。
そうした事態が発生した原因について、課題を先送りする体質やガバナンスの欠如、専門性の低さなど、様々な指摘が行われてきた。もっとも、大規模な救済策無しに状況の改善が見込めないほど事態が悪化するまで長期にわたって問題が放置されてきた点に着目してみると、根因の一つが、年金受給者やマンション購入者、地域住民、あるいは競合企業や専門家など、利害関係者や第三者によるチェックやコントロールが効きにくいという制度的欠陥に起因する面は否定できない。(続く)
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